著者
戸田 宏文 山口 逸弘 鹿住 祐子 中江 健市 上硲 俊法 田中 加津美 吉田 理香 吉田 耕一郎
出版者
一般社団法人 日本環境感染学会
雑誌
日本環境感染学会誌 (ISSN:1882532X)
巻号頁・発行日
vol.28, no.6, pp.319-324, 2013 (Released:2014-02-05)
参考文献数
18

我々は喀痰抗酸菌培養検査において,採痰ブース内水道水にMycobacterium lentiflavumが混入したことによるpseudo-outbreakを経験した.81症例からM. lentiflavumが検出されたが,感染症例は認められなかった.採痰ブース以外の院内水道水103箇所の抗酸菌培養を行ったところ,6個所からM. lentiflavumが検出された.臨床分離株14株,採痰ブース由来3株,および院内水道水由来5株の合計22株についてrep-PCRにて相同性の確認を行ったところ,プロファイルAからEに分類された.プロファイルCとDには臨床分離株と環境由来株が混在し,95%以上の相同性が認められた.