著者
吉田 耕一郎 小司 久志 二木 芳人 詫間 隆博
出版者
昭和大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

低濃度二酸化塩素ガスの空中浮遊菌に対する抗微生物効果を明らかにする目的で、有人の室内(66.5m2)において低濃度二酸化塩素ガスを発生させ、その効果を検討した。昭和大学の医局(温度及び湿度はコントロールしない)において、あらかじめエアサンプラーを用いて空中浮遊菌数を測定し、コントロールとした。続いて安全性に配慮した低濃度二酸化塩素ガスを発生させて空中浮遊菌数を測定した。職員の医局への出入りは制限しないこととした。発生させた二酸化塩素濃度は0.01 ppmから0.02 ppmで安定していた。低濃度二酸化塩素ガスを医局に発生させることで、医局内の空中浮遊細菌濃度がday1からday3の初期から減少し、全二酸化塩素発生期間中にわたり有意な抗微生物効果が持続していた。低濃度二酸化塩素ガスを有人の室内に拡散させることは、空中浮遊菌の減少に効果を示した。
著者
吉田 耕一郎
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.59, no.2, pp.113-122, 2016-05-01 (Released:2016-05-01)

朝日新聞フォトアーカイブは2010年に発足した。朝日新聞社が所蔵する明治時代以降の歴史的な写真(ネガ,紙焼き,ガラス乾板など)約2,000万枚をデジタル化する作業を進め,最新のデジタル写真と合わせて約240万枚をWeb上で公開している。デジタル化に当たっては,写真の裏面のメモなどを頼りに書誌を確認するのが難題で,手間と時間がかかる。写真の書誌情報(見出し,写真説明,撮影場所,撮影日)に補助キーワードなどを加えることで,利用者の写真検索を容易にしている。Webサイトは2014年に大幅改修し,検索のためのオプションや提示型の特集機能の充実を図った。朝日新聞フォトアーカイブに登録されている写真は,教科書・教材やテレビ番組,書籍・雑誌,企業の社史などに多方面で利用されている。動画の取り組みも強化している。著作権の保護期間が満了した写真の扱いは大きな課題だ。朝日新聞フォトアーカイブでは,古い写真を死蔵することなく広く活用してもらうために,積極的に公開している。その際,データ提供料として適正な利用料金を頂く方針で,利用規約を整備した。近現代史を生き生きと伝える貴重な歴史写真を多くの人に見てもらうことは,新聞社の役割の一つだと考えている。
著者
吉田 耕一郎
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.59, no.2, pp.113-122, 2016

朝日新聞フォトアーカイブは2010年に発足した。朝日新聞社が所蔵する明治時代以降の歴史的な写真(ネガ,紙焼き,ガラス乾板など)約2,000万枚をデジタル化する作業を進め,最新のデジタル写真と合わせて約240万枚をWeb上で公開している。デジタル化に当たっては,写真の裏面のメモなどを頼りに書誌を確認するのが難題で,手間と時間がかかる。写真の書誌情報(見出し,写真説明,撮影場所,撮影日)に補助キーワードなどを加えることで,利用者の写真検索を容易にしている。Webサイトは2014年に大幅改修し,検索のためのオプションや提示型の特集機能の充実を図った。朝日新聞フォトアーカイブに登録されている写真は,教科書・教材やテレビ番組,書籍・雑誌,企業の社史などに多方面で利用されている。動画の取り組みも強化している。著作権の保護期間が満了した写真の扱いは大きな課題だ。朝日新聞フォトアーカイブでは,古い写真を死蔵することなく広く活用してもらうために,積極的に公開している。その際,データ提供料として適正な利用料金を頂く方針で,利用規約を整備した。近現代史を生き生きと伝える貴重な歴史写真を多くの人に見てもらうことは,新聞社の役割の一つだと考えている。
著者
吉田 耕一郎 小司 久志 二木 芳人
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.1061-1066, 2008-12-15

Q1.原因微生物,感染経路・感染源とは? A.リハビリテーション(以下,リハビリ)の臨床現場で感染症の原因となりやすいものには,院内感染症,および市中感染症の主要な原因微生物の多くが含まれる.なかでも重要な微生物としては,MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌),耐性緑膿菌,結核,ノロウイルス,インフルエンザウイルスなどが挙げられる.感染経路には空気(飛沫核)感染,飛沫感染,接触感染の3経路がある.空気感染では,飛沫核となった微生物が空気中を浮遊して遠くまで漂い伝染を来す.飛沫感染では,原因微生物を含んだ水分粒子が大きく,落下速度が速いため,通常1m以上には飛散しないとされる(図1).接触感染では,原因微生物が飛散することはないが,患者や患者の排泄物,衣類,医療機器,病室環境などが感染源となり,感染症を伝播する.
著者
戸田 宏文 古垣内 美智子 江口 香織 山口 逸弘 吉長 尚美 森田 泰慶 上硲 俊法 田中 裕滋 吉田 耕一郎
出版者
一般社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.93, no.3, pp.326-329, 2019-05-20 (Released:2019-12-15)
参考文献数
19

We report herein on two cases of bacteremia caused by daptomycin-resistant Corynebacterium striatum. In these cases, daptomycin-resistant C. striatum was detected after receiving daptomycin for the treatment of multidrug-resistant C. striatum bacteremia, and ERIC-PCR band patterns were identical among the isolates of C. striatum before and after daptomycin therapy. We performed an in vitro assay to determine whether daptomycin resistance is induced in nine clinical isolates of C. striatum, including our two cases, after exposure to daptomycin in broth culture, and seven isolates showed emergence of daptomycin resistance. To our knowledge, this is the first reported case of daptomycin-resistant C. striatum bacteremia in Japan. The use of daptomycin for the treatment of C. striatam infections should be avoided, considering the risk for rapid emergence of daptomycin resistance.
著者
吉田 耕一郎
出版者
デジタルアーカイブ学会
雑誌
デジタルアーカイブ学会誌 (ISSN:24329762)
巻号頁・発行日
vol.2, no.4, pp.330-336, 2018-10-01 (Released:2018-11-20)
参考文献数
4

朝日新聞フォトアーカイブは、朝日新聞社が所蔵する約2,000万枚の写真をデジタル化し、社内外での利用を進めるため、2010年に発足した。写真の提供は有償。テレビ局や教科書会社、出版社などが主な取引先となっている。最近は、周年企業の社史、都道府県や市町村の歴史年表などでの利用に加え、海外メディアで使われるケースも増えている。写真のデジタル化と書誌編集作業には、膨大な手間とコストがかかる。写真を死蔵することなく、広く活用してもらうためにも、事業としての発展性が重要になる。古い写真に加え、最新のニュース写真、図表なども扱い、ここ数年は動画の利用が伸びている。
著者
戸田 宏文 山口 逸弘 鹿住 祐子 中江 健市 上硲 俊法 田中 加津美 吉田 理香 吉田 耕一郎
出版者
一般社団法人 日本環境感染学会
雑誌
日本環境感染学会誌 (ISSN:1882532X)
巻号頁・発行日
vol.28, no.6, pp.319-324, 2013 (Released:2014-02-05)
参考文献数
18

我々は喀痰抗酸菌培養検査において,採痰ブース内水道水にMycobacterium lentiflavumが混入したことによるpseudo-outbreakを経験した.81症例からM. lentiflavumが検出されたが,感染症例は認められなかった.採痰ブース以外の院内水道水103箇所の抗酸菌培養を行ったところ,6個所からM. lentiflavumが検出された.臨床分離株14株,採痰ブース由来3株,および院内水道水由来5株の合計22株についてrep-PCRにて相同性の確認を行ったところ,プロファイルAからEに分類された.プロファイルCとDには臨床分離株と環境由来株が混在し,95%以上の相同性が認められた.
著者
吉長 尚美 久斗 章広 北井 見和 久光 由香 三五 裕子 吉田 耕一郎
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.141, no.11, pp.1253-1255, 2021-11-01 (Released:2021-11-01)
参考文献数
2

Over the last decade, many public institutions have emphasized the importance of antimicrobial stewardship (AS) in reducing the spread of antimicrobial resistance. In our facility, we have tackled AS that has adapted to clinical practices since 2015. In many facilities, especially university hospitals, multidrug-resistant bacteria, such as methicillin-resistant Staphylococcus aureus and extended-spectrum β-lactamase-producing bacteria, may cause infections. Considering this, we recommend prompt treatment with suitable antibiotics and dosage. In AS teams, pharmacists are responsible for administering pharmacotherapy, including optimal dosage for each patient. Therefore, they should assess their patients carefully, implement thorough therapeutic drug monitoring, and utilize the information obtained from these assessments to administer optimal pharmacotherapy. However, optimal pharmacotherapy also requires a correct diagnosis. Although diagnostic stewardship is not a pharmacist's work, it is a great opportunity for pharmacists to learn how expert physicians think. Based on the type of situation above, we train younger pharmacists on the job.
著者
吉田 耕一郎
出版者
デジタルアーカイブ学会
雑誌
デジタルアーカイブ学会誌 (ISSN:24329762)
巻号頁・発行日
vol.2, no.4, pp.330-336, 2018

<p>朝日新聞フォトアーカイブは、朝日新聞社が所蔵する約2,000万枚の写真をデジタル化し、社内外での利用を進めるため、2010年に発足した。写真の提供は有償。テレビ局や教科書会社、出版社などが主な取引先となっている。最近は、周年企業の社史、都道府県や市町村の歴史年表などでの利用に加え、海外メディアで使われるケースも増えている。写真のデジタル化と書誌編集作業には、膨大な手間とコストがかかる。写真を死蔵することなく、広く活用してもらうためにも、事業としての発展性が重要になる。古い写真に加え、最新のニュース写真、図表なども扱い、ここ数年は動画の利用が伸びている。</p>
著者
中島 正光 玉田 貞夫 吉田 耕一郎 杉村 悟 沖本 二郎 二木 芳人 真鍋 俊明 副島 林造
出版者
The Japanese Respiratory Society
雑誌
日本胸部疾患学会雑誌 (ISSN:03011542)
巻号頁・発行日
vol.32, no.11, pp.1109-1114, 1994-11-25 (Released:2010-02-23)
参考文献数
20

症例は39歳, 男性. 労作時呼吸困難, 胸部X線上異常陰影にて当科に紹介入院となった. 入院後経気管支肺生検にて肺胞蛋白症と診断し, 現在までに2回の全身麻酔下左肺洗浄を施行し, 軽快退院している. 今回再度肺胞蛋白症の増悪がみられたため入院となった. 血清中のCEAが高値であったため他の腫瘍マーカーの測定を行い, 血清中のCA153, TPAの高値を認めた. さらに肺洗浄液中の腫瘍マーカーの測定を行い, CEA, CA19-9, CA125, CA15-3, CA50, SLX, SCC, TPAが血清正常値以上を示した. 血清中高値の腫瘍マーカー全て肺洗浄後減少傾向を示した. そこで, 高値を示した腫瘍マーカーの産生部位を検索する目的で経気管支肺生検組織の免疫染色を行った. 肺胞上皮にCEA, CA15-3, SLXが陽性を示し, これらはII型肺胞上皮を含む肺胞上皮より産生されていることが示唆された. 本症の肺洗浄液中でCEAが高値を示すことは知られているが, その他の腫瘍マーカーについての検討は少なく興味ある症例と考えられた.