著者
吉田 興夫 岩本 明人
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.37, no.10, pp.819-825, 1983
被引用文献数
2

固体撮像素子の設計や撮像方式の決定に役立てるため, 規則正しく配列された画素からなる固体撮像素子の2次元サンプリングと2次元開口のフーリエ変換から, 2次元のナイキスト限界とレスポンス特性であるMTFを求める方法を述べた.2次元サンプリングの代表例として, 正方格子と市松画素配置となる斜方格子をとりあげ, 後者では水平方向のナイキスト限界が改善されること, 特に現状の500 (V) ×400 (H) 画素ではその改善効果が大きいことを示した.また, 従来解析されてきた水平軸や垂直軸などの特定方向のMTF以外に, 任意の方向におけるMTF値を求める方法を述べた.2次元開口の代表例として, 矩形とその一部を切り取られた矩形 (L形矩形) をとりあげ, 切り取られた方向でMTF値が増加する様子を明らかにし, それらのMTF値の等高線表示により2次元MTFを見やすく表示した.
著者
吉田 興夫 岩本 明人
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.38, no.8, pp.754-761, 1984-08-20

固体撮像素子の規則的に配列された画素と撮像評価用テストチャートの幾何学模様のパターンとの光学的な干渉によって生ずる偽信号のモアレについて解析した.モアレは矢車チャートでは錨模様, ハイパボリックゾーンプレートでは双曲線模様, およびサーキュラーゾーンプレートでは円模様となり, 垂直画素群や水平画素群とパターンが平行に近い関係となるチャートの水平軸や垂直軸にあらわれる.固体撮像素子の画素数が水平N_h, 垂直N_νであれば, モアレの次数をγまたはγ′の整数として, モアレの発生位置は3N_h/2γまたは3γ′N_h/2,あるいは2N_ν/γまたは2γ′N_νのテレビ本数になる.これらのモアレの見え方を固体撮像素子の開口によって決まるMTF解像度特性との関連で考察し, 無効感光部がモアレの発生原因となることを述べた.