- 著者
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吉藤 昌代
渡辺 洋子
- 出版者
- NHK放送文化研究所
- 雑誌
- 放送研究と調査 (ISSN:02880008)
- 巻号頁・発行日
- vol.70, no.1, pp.26-45, 2020
「メディア利用の生活時間調査」の2回目の報告である本稿では、特に若年層(16~29歳)のスマートフォン利用に焦点をあて、スマートフォン利用の詳細を描くとともに、具体的な利用内容と利用の際の意識との関連を探った。まず日記式調査の結果をみると、男16~29歳はスマートフォンでSNS、動画、ゲーム、音楽などを利用している。女16~29歳はSNSをメインに動画の利用も多いが、SNS・動画以外はそれほど多くなかった。 また付帯質問の結果をみると、従来パソコンなどで行っていたメールやWEB検索などの行動をそのままスマートフォンに置き換えて利用している中年層とは異なり、若年層は「SNS」や「動画」など比較的新しいサービスを活用し、複数のSNSを「検索・情報収集」「動画視聴」「ニュースをみる」などの多様な目的で使い分けていることが明らかになった。さらにスマートフォン利用時に「時間を忘れて、夢中になってしまった」り、「使ったあと、時間をむだにしてしまった」と思ったりする気持ちの有無別に利用の特徴をみると、そのような気持ちが「ある」と答える人の割合はスマートフォンを活発に利用する若年層で高く、中高年層で低い。スマートフォン利用の多寡が意識の有無に関連しているように思われる部分が多かったが、一概にそうとは言い切れない部分もあり、意識と利用状況を単純には関連付けられないことが示された。