著者
吉谷 健司 大西 佳彦
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.34, no.7, pp.891-895, 2014 (Released:2014-12-27)
参考文献数
4

近赤外線分光法(NIRS)を用いた局所脳酸素飽和度(rSO2)は非侵襲的に連続測定が可能なため手術中に用いられることも多くなった.しかし,使用してみると個人間で測定値にばらつきが大きく,同じように%表示されるパルスオキシメーターで測定される動脈血酸素飽和度(SpO2)と同様には使いにくいことがわかる.しかし,NIRSによるrSO2もその簡便さから捨てがたいものがある.このジレンマを解決するために少し掘り下げてrSO2について考えてみる必要がある.パルスオキシメーターとどの点が異なるのか,測定値のばらつきはなぜ起こるのか,正確なrSO2は可能なのかなどについて考えてみることにする.