著者
市之瀬 敦 吉野 朋子 GIBO LUCILA 黒沢 直俊
出版者
上智大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2017-04-01

研究の初年度にあたる本年度においては,年度を通して、国内の教育機関における実態調査として上智大学,東京外国語大学,神田外語大学,京都外国語大学、天理大学でのポルトガル語教育のカリキュラムや達成目標,特色ある取組等について詳細な調査を行った.2017年10月15日に天理大学を除いた4大学の担当者を交えた研究集会を開催し,報告や聞き取りを通じて調査を行った.この調査に関しては主に研究代表者の市之瀬や分担者全員が担当した.さらに,このテーマに関しては,すでに日本ポルトガル・ブラジル学会の紀要ANAISに論文を分担者の吉野が中心にまとめ発表,掲載している.さらに到達目標との関連では,上記5大学での実態などにも踏まえ,投野由紀夫が提唱しているCEFR-Jとポルトガルポルトガル語,教養ブラジルポルトガル語,民衆ブラジルポルトガル語の3変種との具体的言語的対応を図るべくそれぞれのレベルに対応した詳細な例文集を作成した.例文集の作成は分担者の黒澤を中心に,ポルトガル人やブラジル人のインフォーマントの協力を得て完成している.この例文集はすでに黒澤の勤務校である東京外国語大学で試験的に学生に対してボランティア的使用を促しており,効果の検証や改善に向けた取り組みを行っているところである.例文集は,さらに,シラバスの策定に向けて文法項目との関連などを図るための基礎資料となる.加えて,収集成果や研究資料の整備等を行なっているほか試験的に検定試験の一部を作成している。なお,購入したPCにデータや情報などを集約して整理している。