著者
黒沢 直俊
出版者
東京外国語大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010-04-01

ポルトガル北部からスペインの北部に分布するアストゥリアス・レオン諸語の、アストゥリアス語とミランダ語という上層言語の異なる変種を歴史言語学的観点から考察した。アストゥリアス州での前後3回の現地調査で、現地の専門家などと協力しながら言語状況の把握や資料の収集を行い、コーパス構築に向けた作業を開始した。この分野は、中世ポルトガル語研究にも様々な視点を提供し、この間、所有詞に関しポルトガル語研究の枠では指摘されなかった研究展開の方向を示した。日本では研究者は少ないので、現地と関係を保ちながら研究調査する意義は大きい。今後、研究代表者の専門のポルトガル語研究にも新たな知見を提供出来る。
著者
山村 ひろみ 渡邊 淳也 GIBO LUCILA 鈴木 信五 藤田 健 黒沢 直俊 岸 彩子 小熊 和郎 大森 洋子
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

本研究は現代ロマンス諸語のうち代表的な、フランス語、イタリア語、スペイン語、ポルトガルポルトガル語、ブラジルポルトガル語、ルーマニア語のテンス・アスペクト体系の対照研究である。これら6つの言語のテンス・アスペクト体系を記述的に考察するために、本研究はまずAgatha ChristieのThe Thirteen Problemsの各言語訳と原本のパラレルコーパスを作成した。次に、同コーパスを用いて、①各言語における「大過去」の記述および分析し、従来指摘されることのなかったロマンス諸語間のテンス・アスペクト体系の異同を具体的に示すと同時に、②各言語に特有のテンス・アスペクト現象の再検討を行った。
著者
市之瀬 敦 吉野 朋子 GIBO LUCILA 黒沢 直俊
出版者
上智大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2017-04-01

研究の初年度にあたる本年度においては,年度を通して、国内の教育機関における実態調査として上智大学,東京外国語大学,神田外語大学,京都外国語大学、天理大学でのポルトガル語教育のカリキュラムや達成目標,特色ある取組等について詳細な調査を行った.2017年10月15日に天理大学を除いた4大学の担当者を交えた研究集会を開催し,報告や聞き取りを通じて調査を行った.この調査に関しては主に研究代表者の市之瀬や分担者全員が担当した.さらに,このテーマに関しては,すでに日本ポルトガル・ブラジル学会の紀要ANAISに論文を分担者の吉野が中心にまとめ発表,掲載している.さらに到達目標との関連では,上記5大学での実態などにも踏まえ,投野由紀夫が提唱しているCEFR-Jとポルトガルポルトガル語,教養ブラジルポルトガル語,民衆ブラジルポルトガル語の3変種との具体的言語的対応を図るべくそれぞれのレベルに対応した詳細な例文集を作成した.例文集の作成は分担者の黒澤を中心に,ポルトガル人やブラジル人のインフォーマントの協力を得て完成している.この例文集はすでに黒澤の勤務校である東京外国語大学で試験的に学生に対してボランティア的使用を促しており,効果の検証や改善に向けた取り組みを行っているところである.例文集は,さらに,シラバスの策定に向けて文法項目との関連などを図るための基礎資料となる.加えて,収集成果や研究資料の整備等を行なっているほか試験的に検定試験の一部を作成している。なお,購入したPCにデータや情報などを集約して整理している。