著者
木下 武 中村 健道 名垣 秀実
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化学会誌(化学と工業化学) (ISSN:03694577)
巻号頁・発行日
vol.1986, no.11, pp.1665-1670, 1986-11-10 (Released:2011-05-30)
参考文献数
12
被引用文献数
1

質量分析法を極性化合物や熱的に不安定な化合物の解析へ応用可能にしたFABイオン化法と,GC/MSやLCIMSのGCやLCに相当する分離手段をもMSで行なうMS/MS法との組み合わせによるFABMs/MS法の構造解析ぺの応用の基礎検討を行なった。その結果,FABMS/MS法を用いることによって分子量決定がきわめて容易に行なえること,部分構造の決定が構造異性体の判別も含めて比較的容易に行なえること,さらにフラグメントイオン相互間のかかわり合いを容易にかつ明確にすることができることヵミわかった。したがって,FABMS/MS法から得られる情報を組み立ててゆくことによって,有機化合物の構造決定がなされ得ることを明らかにすることができた。