著者
向 正樹
出版者
同志社大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

本研究課題は、中国沿海部と東南アジア島嶼部のイスラーム史蹟における現地調査を行い、そこに残されたイスラーム碑文(おもにアラビア語墓碑)の相互の比較研究を行い、それによって、歴史的に海上交易によって結びつけられた当該海域におけるアラブ・ペルシャ系移民の通婚と文化接触の結果形成されたイスラーム系集団間の連環を探るものであった。当該地域出土のイスラーム石刻のテキストから得られる年代的・地理的情報の収集、および、関連する漢語・アラビア語・ペルシャ語文献資料の網羅的分析を行った結果、12~16世紀前後において、南シナ海域・東南アジア海域に広く分散するイスラーム系集団の連動性や関係性に迫ることができた。