著者
藤井 亮輔 長岡 英司 呉 泰敏 李 宇寛
出版者
筑波技術大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究では日本の植民地政策下で朝鮮半島と台湾で展開された盲人への理療教育(鍼灸・按摩教育)の以下の実態を明示できた。朝鮮の理療教育は朝鮮総督府済生院の盲唖部(1913年)において官主導で開かれたのに対し台湾の按摩教育はWilliam Cambelによる台南慈恵院盲人教育部(1900年)や木村勤吾による木村盲唖教育所(1915年)など民間主導で行われた点に特徴がある。両者とも日本で公布された按摩術等に関する法令(1911年)に則った教育が実践されたことで、盲人の経済自立を可能にさせた日本の職業文化がこれらの地域にも形成された。その今日的意義は大きい。