著者
大杉 豊 戸井 有希 鈴木 潔
出版者
筑波技術大学
雑誌
若手研究(スタートアップ)
巻号頁・発行日
2008

日本手話言語地図の作成研究の第一歩として、全国47都道府県合計94名を対象に調査した範囲で、語彙レベルで地域による違い及び年齢層による違いの両方を示す言語地図の試作版をウェブ形式で製作した。分析の結果、(1)手話語彙レベルで地域的な分布が存在すること、(2)70歳代と比すると、30歳代では手話語彙レベルでの共通化が顕著であることの2点が明らかになった。
著者
高岩 義信 九後 太一 早川 尚男 棚橋 誠治 金谷 和至 五島 敏芳 小沼 通二 伊藤 憲二 伊藤 和行 九後 太一 受川 史彦 平田 光司 小長谷 大介 田中 希生 田中 正 難波 忠清 西谷 正 吉川 直志 坂東 昌子
出版者
筑波技術大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2011-11-18

日本の素粒子論研究が世界的に評価される礎を築いた湯川秀樹・朝永振一郎・坂田昌一の遺した資料を活用してその学問の系譜を研究することを目標とし、その資料の利用環境整備を行った。史料データベースを充実させネットワーク上のサーバーを介して一般に公開している。このサーバで稼働するオープンソフトウェアの検討およびカスタマイズ、さらにその後継ソフトウェアの検討を行った。またこれらの資料を科学史研究に利用するのに有益な史料作成者データのデータベースを、史料カタログと連携するものとして構築することによって、史料の有効利用に資することができるようにすることを検討した。また今後へ向けての課題の検討を行った。
著者
小林 真
出版者
筑波技術大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

視覚障害者ボウリングを楽しむ当事者らのニーズをもとに、「投球フォーム検出と提示」「残ピン状況の読み上げ」「ボール軌跡の読み上げ」を目的とするシステム開発と検証を行った。フォーム検出に関しては、腕に装着した加速度センサから投球タイミングの検出が可能なことが分かった。また残ピン読み上げに関しては画像処理を利用してほぼ完璧な認識が可能であり、実際の練習に役立つシステムを構築できた。ボール軌跡については、深度センサで実現可能なことが分かった。さらにスポーツにおける状況の音声化は,プレーヤー自身だけではなく,応援や観戦をしている視覚障害者にとって重要なエンターテインメント要素になることが分かった.
著者
高岩 義信 九後 太一 伊藤 憲二 五島 敏芳 金谷 和至 棚橋 誠治 小沼 通二 坂東 昌子 受川 史彦 伊藤 和行 田中 正 山脇 幸一 難波 忠清 西谷 正 吉川 直志
出版者
筑波技術大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

日本における素粒子物理学の発展への道を開いた湯川秀樹・朝永振一郎・坂田昌一の遺した資料を保存する記念史料室等で、その資料を近年のアーカイブズ学の知識によってカタログ情報を国際標準に準拠する史料記述の形式で統一的にデータベース化することにより、史料整理と保存の体制整備と利用促進を図った。それにより、未整理であった資料を含め記念史料の全体について把握が可能になり、その管理について見通しが良くなった。さらにそのデータベースは、ネットワーク経由で相互参照(横断検索)が可能なオンライン検索システムを採用して一般向けに提供するための環境づくりを行ったので、当科研費事業の終了後にもその整備と運用の継続が可能になり、様々な研究課題に利用できるようになり、現実にこれらの史料の参照の要求にこたえることが可能になった。
著者
藤井 亮輔 長岡 英司 呉 泰敏 李 宇寛
出版者
筑波技術大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究では日本の植民地政策下で朝鮮半島と台湾で展開された盲人への理療教育(鍼灸・按摩教育)の以下の実態を明示できた。朝鮮の理療教育は朝鮮総督府済生院の盲唖部(1913年)において官主導で開かれたのに対し台湾の按摩教育はWilliam Cambelによる台南慈恵院盲人教育部(1900年)や木村勤吾による木村盲唖教育所(1915年)など民間主導で行われた点に特徴がある。両者とも日本で公布された按摩術等に関する法令(1911年)に則った教育が実践されたことで、盲人の経済自立を可能にさせた日本の職業文化がこれらの地域にも形成された。その今日的意義は大きい。
著者
石川 重遠 後藤 吉郎 山本 政幸
出版者
筑波技術大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

本研究は、未だ明らかでない和文ゴシック体成立とその書体が欧文書体とつながりが有るかを考察することである。研究の成果:1)和文ゴシック体成立に関して、最初の和文ゴシック活字書体は、明治19 年(1886)6月1日の官報の外報の小見出しに使われたことが分かった。その官報において、日本の記事と外国の報道を区別する目的があり、和文ゴシック体は、外報の小見出しのためにデザインされた。2)アメリカでの調査により、イギリスで創出されたサンセリフ活字書体は、アメリカでゴシックと命名されたことが分かった。それは、ボストンの活字鋳造所の1832年の活字見本帳に見られる。3)このような活字書体は、アメリカから日本に輸入され、明治9 年(1876)の東京築地活版製造所の活字見本帳に載った。以後、日本語ではこの欧文活字書体をゴシックと呼んだ。4)和文ゴシック体成立とゴシック体との関連性として、当時の外国の官報や新聞で使われた見出しゴシックは、和文ゴシックを生む発想の起源と見なされる。
著者
石田 久之
出版者
筑波技術大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

大学の訪問等により、支援の組織化状況とその課題、学内各種組織の役割分担、基本的な支援ポリシー等を調査した。大学での支援は三つに分けられる。第一に、学習や生活で、自身をコーディネートできる能力をつけるための支援。次に、情報保障である。三番目が出口支援であるが、これは単なる就活支援ではなく卒業後の生き方へのアドバイスも含むものである。学内リソースを有機的に結びつけ、学生毎にこれらを遂行することが求められている。
著者
井上 征矢
出版者
筑波技術大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2005

以下の3種の実験を聴覚障害者と健聴者の各10名に行い、光源色を用いた適切な情報提示について検討した。色と文字の探索実験では、色を色、色と文字、色文字、黒文字の4種の方法で提示し、ターゲット色を6色の中から瞬時に探すタスクを与えた。その結果、両被験者群ともに色や色文字の場合に回答が速いが、聴覚障害者は黒文字の場合にも健聴者ほど遅くなく、両者で視覚認識特性が異なる可能性が示された。また両被験者群ともに赤より青に対する反応が速く、LCDモニタで白背景の場合には青の誘目性が物体色の場合ほど低くない可能性も示された。駅空間画像における探索実験では、内照式サインを含む駅空間画像を提示し、ターゲットの方向を瞬時に回答するタスクを与えた。駅空間画像には、サイン周辺の商業表示物の色や量、サイン情報の質や量が変数となる物を選んだ。その結果、両被験者群ともにサイン内に類似色がある(使用色修正が必要)、周辺にサインと類似色で高彩度の広告がある(商業表示物との棲み分けが必要)、同じ誘導色でも内照式サインと物体色で違う色に見える(色の微修正が必要)等の場合に回答が遅かった。聴覚障害者は誘導色に付記された文字が読みにくい場合に回答が遅く、色のみでなく文字までを確認する傾向が健聴者より強いことが示された。誘導色やピクトを使用する場合にも文字の可読性に配慮する必要がある。文字スクロールスピード調整実験では、電光文字提示装置を想定し、表示文字数、文字色、文型(一般的文章と名詞の羅列文章)を変数として文章を提示し、最も読みやすいスピードに調整するタスクを与えた。その結果、両被験者群ともに表示文宇数が少ないほど遅いスピードを好んだ。文字色や文型による顕著な差は得られなかった。聴覚障害者は大半の試行で健聴者より遅いスピードを好んだため、健聴者の感覚でスピード設定したスクロールは聴覚障害者には速すぎることも示された。
著者
藤井 亮輔
出版者
筑波技術大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

全国の成人男女2,000人に訪問調査を行った(有効回答率68.1%)。その結果、調査日直近の1ヵ月以内に鍼灸を受けている者(月間鍼灸受療者)の割合は2.2%(受療回数:4.6±3.7回/月)で、このうちの鍼灸単独受療者の割合は0.8%だった。また、年内に鍼灸受療を経験した者(脱落者)は7.3%(同4.2±5.6回/年)で、うち鍼灸単独受療者の割合は3.6%と推計された。一方、調査日直近の1ヵ月以内に按摩を受けている者(月間按摩受療者)の割合は5.3%(同6.2±7.3回/月)、うち按摩単独受療者の割合は3.9%だった。また、年内に按摩受療を経験した者(脱落者)は15.5%(同5.8±8.9回/年)、うち按摩単独受療者の割合は11.0%と推計された。
著者
金堀 利洋
出版者
筑波技術大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

Webページ上の文章をマウスや指でタッチすることで、その部分の単語・文章・段落を読み上げる、主に視覚障害者向けのシステムを作成した。このシステムはWebページ上から利用者が求める情報を早く取得することを目的としている。ページ上に必要な情報があるかどうか、その情報がどこにあるか素早く判断できるようにするために、ページ内の単語をランダムに読み上げる、各段落の先頭の数単語を読み上げる、などの機能も提供している。
著者
藤澤 正視 稲村 哲也 渡部 森哉 福山 洋 菊池 健児 高橋 浩 五十嵐 浩也 山本 紀夫 川本 芳 大山 修一 大貫 良夫 阪根 博 ワルテル トソ セノン アギュラール カルロス サバラ 鶴見 英成 藤井 義晴 阿部 秋男
出版者
筑波技術大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2007

ラス・シクラス遺跡の発掘を実施し、同遺跡の中核的遺構の北マウンドの様態を解明した。マウンド上部の建築群は形成期早期(紀元前2900~1800年)の神殿建築であり、少なくとも8回の神殿更新が認められた。その過程で多量のシクラが使用されたのがこの遺跡の特徴である。シクラ構造を模擬した試験体で振動台実験を行った。その結果、一定の制振効果をもつことが確認される一方で、ある条件のもとでは、その効果がなくなるという特徴が示唆され、シクラを持つ神殿の地震動に対する挙動と被害軽減効果を確認した。
著者
大武 信之
出版者
筑波技術大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

国公私立大学が利用するセンター試験は、過去問題として蓄積されているが、一般問題・特別問題(点字)ともに再利用可能な形式ではない。本課題では、点字問題を再利用可能な形式にするするための環境と、一般問題(墨字)と特別問題の関連付けが無いため、双方を自動的に電子化し、墨字から点字、点字から墨字の双参照を可能とするシステムを提供した。本課題の点字過去問題アーカイブシステム環境は、一般の古書点字にも使用可能で、点字古書を電子化し、複製本を提供できると共に、劣化した古書点字を新書に甦らせることも可能にした。本システムは、点訳ボランティア等にも専門的な知識なく使えるシステムとして提供することができた。
著者
小林 正幸 石原 保志 三好 茂樹 白澤 麻弓
出版者
筑波技術大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

発話内容をリアルタイムで速記用キーボードに入力することで、受講者の漢字の読み能力に応じた難読な漢字のみにルビを自動的に付加して字幕を提示する学年別ルビ付きリアルタイム字幕提示システムを開発した。学年別ルビ付き字幕は小学1年~6年、中学、高校の学年に対応し、携帯電話、スマートフォン、タブレット、ワンセグや地デジ生字幕放送にも提示可能で、聴覚障害者用の情報支援として利用できる。
著者
安田 輝男 岡本 明 長岡 英司 生田目 美紀 井上 征矢
出版者
筑波技術大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2007

1.19年度の実績・成果を踏まえ、20年度はさらに精度を高めた立体ポスターの制作とその展示、調査を積極的に行った。また、有効なサポート情報としての音声情報(聴覚情報)の開発も行った。2.立体ポスターの原画にあたるポスター制作に関しては、本年度も本学デザイン学科の学生を指導して制作。二科展デザイン部等へ応募して、入選・準入選等の成果を得た。3.「触って観る」アート(立体ポスター)は、つくば西武ホール(20年1月)、二科茨城支部展(20年5月)、二科展(20年9月)、筑波技術大学く日韓デザイン学術研究交流大会〉(20年7月)、いばらきデザインセレクション2008(20年10月)、筑波大学(20年10月)結城信用金庫(20年10月)、第23回国民文化祭・つくば美術館(20年11月)、水戸医療センター(20年12月)等で展示され、随時アンケート調査も実施。昨年に引き続き、展示場に訪れた鑑賞者からは深い理解を頂き、社会貢献の意義からも資するところ大であった。4.音声による画像情報支援システムによる「触って聴く」ポスターも随時展示し、強い関心を得た。(*協力:東京カートグラフィック(株)・(財)テクノエイド協会)。5.本研究チーム制作の「触って観る」ポスターとその活動に対して、第23回国民文化祭くつくば市議会議長賞〉、いばらきデザインセレクション2008知事選定、二科茨城支部感謝状が贈られた。6.本研究をまとめた小冊子「『触って観る』アートプロジェクトの歩み」(A5版28頁/英訳付き3000部)を出版。各方面に配布し、本研究の理解促進に供している。
著者
宮川 正弘 巽 久行 村井 保之
出版者
筑波技術大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

視覚障がい者の机上作業を支援するために,対象物のクロックポジション位置と手の速度を音で知らせる腕の誘導システムを提案した。手および机上の物体位置の認識は光景分析を避け,手や物に貼付されたマーカーと光学的位置追跡装置を用いて実時間で認識した。視覚障がい者の手の誘導は作業空間の認知地図創生を支援するためのもので,距離場空間モデルに基づいて得られた空間状況を積極的に提示した。手の誘導速度をファジィ制御で決定すること,ニューラルネット等による混雑度を提示することは有効であった。