著者
呉 美淑
出版者
慶應義塾大学
雑誌
三田商学研究 (ISSN:0544571X)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.91-101, 1997-04-25

サービス分野としてのホテル業界は,労働力の流動化,雇用形態の多様化,経営活動のチェーン化などによる雇用管理上の問題を抱えていると指摘されている。本稿の目的は,このような日本のホテル業界において,労働市場の内部化の特徴とその形成要因としての教育訓練や業務経験との関係を,経営形態別に探ってみることである。そのため,4社の大規模都市ホテルを対象として事例研究を行い,労働市場の内部化の程度,教育訓練の活動と労働市場の内部化との関係はローカルホテルとチェーンホテルの間にどのような差があるかを探ってみた。それと共に,このような結果がホテル業界に示す幾つかの示唆点を検討した。