著者
周 国龍 Guo Long ZHOU
雑誌
鈴鹿国際大学紀要Campana = Suzuka International University journal campana (ISSN:13428802)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.15-25, 2010-03-20

日本語の格助詞は同じ表現において置き換えのできる場合とできない場合がある。本稿は、主に置き換えのできる場合において、置き換えにより表現の意味はどれほど変わったかによって三種類に分け、これを手掛かりに中国語を母語とする日本語学習者は何故日本語を曖昧と思うのか、その原因について考察した.日本語の格助詞間の意味の微妙な違いは話の内容を正確に伝える役目をしているが、学習者は格助詞間の意味の微妙な違いに対する理解不足により誤解と誤用を犯しがちになる。これが日本語は曖昧だと思わせる一因ではないかと考えられる。
著者
周 国龍
雑誌
鈴鹿大学・鈴鹿大学短期大学部紀要 人文科学・社会科学編 = Journal of Suzuka University and Suzuka Junior College Humanities and Social Sciences (ISSN:24339180)
巻号頁・発行日
no.1, pp.73-82, 2018-03-15

日本語の動詞の否定過去形は「~なかった」で、中国語の否定過去形は「没~」にあたると一般的に認識される。しかし、「知らなかった」は「没知道」にしたら、間違いになる。必ず「不知道」で対応しなければならない。このずれから誤用が生じている。双方とも瞬間動詞の性格と状態動詞的な性格を有する。本稿はその両面から分析した。その結果、瞬間動詞の性格を有する部分に双方が対応する文法形式が存在するが、状態動詞的な性格を有する部分にずれがあり、そこから誤用が生じていることを突き止め、その原因を明らかにした。