著者
首藤 敏秀 小薗 敬洋 鈴木 周一 和氣 聡
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.65, no.3, pp.595-598, 2016-09-25 (Released:2016-12-06)
参考文献数
11

体軸性脊椎関節炎という新しい疾患概念の導入や生物学的製剤の進歩など脊椎関節炎を取り巻く状況は大きく変化している.しかしながら,本邦ではその進歩がいまだ日常診療に十分に反映されていないのが実情かと思われる.本研究では体軸性脊椎関節炎とその疑い例における脊椎関節炎および強直性脊椎炎の特徴的症状や所見の出現頻度を調査し,早期診断における問題点を検討した.若年者の慢性の腰背部痛に対して炎症性腰背部痛や脊椎関節炎の脊椎外症状,家族歴などが評価されてないために,整形外科を受診していながら体軸性脊椎関節炎の早期診断がされていない例を認めた.問診票などを利用してこれらを効率よく把握することが体軸性脊椎関節炎の早期診断に重要と考える.