- 著者
-
和田 初枝
- 出版者
- サレジオ工業高等専門学校
- 雑誌
- 奨励研究
- 巻号頁・発行日
- 2013-04-01
[研究目的]本研究では、貸出履歴のバスケット分析による分析結果を教育カリキュラムの情報と関連づけ、その結果を利用した新たな主題分野による分類および配架方法を決め、部分的ではあるが授業関連コーナーを作成しその有意性を検証する。[研究方法]1. 同時貸出資料の組み合わせを把握するために、図書資料の貸出履歴(13,377件)のバスケット分析を行いその結果をシラバスに記載された教育カリキュラム情報と参照し、カリキュラムの内容に沿った主題分野を定義した。2. 十進分類法以外の独自分類や配架法を実践している図書館にインタビュー調査を実施した。これらの結果も踏まえ分類・配架法を決定し、その有意性の検証を行った。[研究成果と今後の課題]1. 合計で767の分類に及ぶ貸出中、以下の組合せにおいて特に高い共起性が明らかになった。(1)「電気工学(540)」と「電気回路・回路理論(541.1)」(2)「電気測定・制御(541.5)」と「電気回路・回路理論(541.1)」(3)「電気工学(540)」と「電気測定・制御(541.5)」(4)「システム・ソフトウェア(007.63)」と「プログラミング(007.64)」(5)「プログラミング(007.64)」と「情報処理(007.6)」(6)「社会科学教育(含就職試験)(307)」と「大学・高等・専門教育(含就職問題)(377)」2. 教育カリキュラム情報を参照し、高い共起性とカリキュラムにおける関連を持つが、分類が離れてしまっている以下の分類から構成する主題分野を定義した。配架法は下記主題を十進分類法に併記し、別置の授業関連コーナーを作る。(1)「電気基礎」 : 電気系の特に低学年の教育カリキュラムに関連する分野「電気工学(540)」と「電気回路・回路理論(541.1)」と「電気測定・制御(541.5)」で構成(2)「キャリア」 : キャリア教育に関連する分野「社会科学教育(含就職試験)(307)」と「大学・高等・専門教育(含就職問題)(377)」で構成3. 教育カリキュラムに沿った主題による分類・配架法の効果について今後も継続して検証する予定である。