著者
和田 宏幸 青木 美智子 田宮 千春
出版者
医療法人茜会 昭和病院
雑誌
昭和病院雑誌 (ISSN:18801528)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.57-60, 2005 (Released:2005-09-13)
参考文献数
7

病棟にポータブル撮影に行くと、急いで遠くに逃げる人や、部屋の中にいるときに撮影すると、かなり離れていても「ああ、放射線あびちゃった」などと落胆する人がいます。このように、放射線が恐いと思っている人や、不安に思っている人が多いようです。それでは、ポータブル撮影はそんなに恐いものなのでしょうか。そして、どのくらい周囲にいる人に影響があるのでしょうか。 結論的には、胸部ポータブル撮影では2m、腹部でも3m離れていれば問題ないことが分かりました。それ故、本人が退室を希望される場合以外は、お見舞いに来られた方の退室の必要はありません。近年、報道されている原子力発電所の事故による大量被曝と医療被曝の違いを認識していれば、ポータブル撮影時の被曝を恐がる必要はないといえます。