著者
和田 宏幸 青木 美智子 田宮 千春
出版者
医療法人茜会 昭和病院
雑誌
昭和病院雑誌 (ISSN:18801528)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.57-60, 2005 (Released:2005-09-13)
参考文献数
7

病棟にポータブル撮影に行くと、急いで遠くに逃げる人や、部屋の中にいるときに撮影すると、かなり離れていても「ああ、放射線あびちゃった」などと落胆する人がいます。このように、放射線が恐いと思っている人や、不安に思っている人が多いようです。それでは、ポータブル撮影はそんなに恐いものなのでしょうか。そして、どのくらい周囲にいる人に影響があるのでしょうか。 結論的には、胸部ポータブル撮影では2m、腹部でも3m離れていれば問題ないことが分かりました。それ故、本人が退室を希望される場合以外は、お見舞いに来られた方の退室の必要はありません。近年、報道されている原子力発電所の事故による大量被曝と医療被曝の違いを認識していれば、ポータブル撮影時の被曝を恐がる必要はないといえます。
著者
日野 篤 森永 康則 吉水 卓見 井上 友一
出版者
医療法人茜会 昭和病院
雑誌
昭和病院雑誌 (ISSN:18801528)
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.141-147, 2007-03-01 (Released:2008-02-19)
参考文献数
5

医療法人茜会昭和病院は、介護療養型病棟240床、一般病棟68床、特殊疾患療養病棟38床、回復期リハビリテーション病棟56床の402床からなり、病床構成では全体の80%近くが療養型である。診療報酬体系の見直しにより、包括性への移行が推進されたことで、いくら経費を使おうと収入は決められていることから経費の把握と管理の必要性がでてきたため、当院では原価計算を用いて各病棟の損益を把握することとした。病院の各部署(病棟単位に部門を設定)を主部門、補助部門、費用部門の3種類の部門に分類し、主部門以外の収益・経費は、配賦基準値を算出し、その基準値に基づいて配賦を行うこととした。病棟以外の収益・経費を主部門に配賦することで、各病棟の採算性が把握できるようになった。また、原価計算を行うことで病院内での経費が細部まで把握できるようになったため、病院内の種々の不要経費を明らかにすることが可能となった。
著者
前田 夏子 吉水 卓見
出版者
医療法人茜会 昭和病院
雑誌
昭和病院雑誌 (ISSN:18801528)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.45-47, 2004 (Released:2005-05-20)
参考文献数
3

高齢者医療の現場では、患者さんで物忘れや、反応の鈍化、論理的理解の困難状況、新しい知識の理解と適応等において痴呆や知能の低下が来ていることをうかがわせる症例が多い。しかしながらこれ等が年齢相応の変化なのか、脳の障害が進んできたための症状なのかを、経験によって感覚的に理解するのは本人の意思や人権をも考えた場合、あまりよい診断方法ではないと考えられる。そこで登場してきたのが長谷川式知能テストであり、MMSEでもあった。これらも大変優れた方法であるが、本人が知能低下症との診断に拒否的になることもあり、真実を見出せないこともしばしば臨床で起こっていた。そこで我々は、知能検査と抑うつや心の変化に基づく異常等との関係を時計描画検査と、GDSを用いて比較評価を行った。結果: CDの導入は協力的で、実施は簡単、判定は早いが、投薬を受けている場合知能検査と抑うつ度については関連性を見出せないことが判った。