著者
安本 亮二 田中 重入 浅川 正純 柿木 宏介 田部 茂 西阪 誠泰 森 勝志 井関 達男 和田 誠次 前川 正信
出版者
泌尿器科紀要刊行会
雑誌
泌尿器科紀要 (ISSN:00181994)
巻号頁・発行日
vol.35, no.4, pp.571-575, 1989-04

通常行われている尿路造影法に非イオン性造影剤(iohexol)を用い, 検査前後で尿中逸脱酵素・蛋白がどのような変化を示すかにつき検討した.正常な腎機能を有する9例を対象とし, DIPにて注入スピード10 ml/min, 総投与量100 ml (2.5 ml以下/kg)で静注した.投与前後の尿を採取し, 糸球体濾過能の指標としてアルブミンを, brush-border酵素としてγ-GTPを, lysosomal酵素としてNAGを, 尿細管性蛋白尿の指標としてα1MGおよびβ2MGを測定し, 各酵素と蛋白の尿中排泄量を尿中クレアチニン量と比較検定した.DIP後γ-GTPとNAGの尿中排泄量は有意(p<0.001, 0.02)に増加した.α1MGおよびβ2MGは有意に変化せず, アルブミンの変化は少量であった.今回の検討から, 非イオン性, 低浸透圧性造影剤であるiohexolは尿細管障害が少なく, brush-border酵素であるγ-GTPとlysosomal酵素のNAGは尿細管障害の良い指標となると考えられた
著者
安本 亮二 浅川 正純 福井 淳一 和田 誠次 岸本 武利 前川 正信
出版者
社団法人日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科學會雜誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.83, no.1, pp.16-22, 1992-01-20

実験的膀胱癌誘発剤であるN-butyl-N-(4-hydroxybutyl) nitrosamine (以下BBN) の0.025%水溶液をラットに経口投与し, 投与5週目からラットinterferon-α (以下IFN-α) を0.1m1 (5×105units/kg/ml) 筋肉内注射し, 以後発癌に至るまでの膀胱の肉眼的変化と病理組織学的変化及びNatural Killer活性 (以下NK活性) の変化を経時的に検討した.1) BBN+IFN-α群の膀胱重量は, 膀胱粘膜に肥厚や血管増生などの肉眼的変化を認めるBBN投与10〜14週の時期 (A期) ではBBN群の膀胱重量と差は見られなかったが, 腫瘍が観察されるBBN投与15〜19週 (B期), 及び20〜30週 (C期) では, 前者重量は後者重量に比べて有意に小さかった.2) A期, C期における発癌率はBBN+IFN-α群の方がBBN群より低かった.3) B期, C期における膀胱癌の悪性度及び浸潤度は, BBN+IFN-α群の方がBBN群に比べて低かった.4) NK活性はA期では両群間に差は見られなかったが, B期ではBBN+IFN-α群の方がBBN群に比べて上昇していた.5) 以上の結果より, IFN-αはBBN誘発ラット膀胱癌の実験系において発癌過程から抗腫瘍的に作用していることが想定された.