- 著者
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和田 高士
加藤 智弘
- 出版者
- 一般社団法人 日本総合健診医学会
- 雑誌
- 総合健診 (ISSN:13470086)
- 巻号頁・発行日
- vol.44, no.5, pp.671-676, 2017
人間ドック受診者の130万人の飲酒状況を紹介する。次いで、アルコールと健康管理という観点から、総合健診受診者の中で男性4,826名を対象に、自記式質問票から週当たりの摂取エタノール量を算出し、この量と、飲酒内容、生活習慣、検査値との関連を検討した。飲酒量の増加に比例して、より不健康な生活習慣を呈した。喫煙(ブリックマン指数:本数×年数)、受動喫煙の増加、1日の仕事時間の増加と月間の休日日数の減少。食事のアンバランス、塩分過多の食事がみられ、1週間での朝食日数の減少、1週間で夕食が外食である日数が増加した。1日当たりの歯磨き回数、生活改善の実行率、保健指導の希望率は減少した。検査値ではBMI、腹囲、収縮期血圧、拡張期血圧、MCV、ALT、GGT、HDLコレステロール、中性脂肪、空腹時血糖、尿酸はそれぞれ増加、膵アミラーゼは減少した。コリンエステラーゼには差異はみられなかった。いずれもJカーブ現象ではなく、比例関係にあった。