著者
唐渡 興宣
出版者
北海道大学經濟學部
雑誌
北海道大學 經濟學研究 (ISSN:04516265)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.1-45, 1977-05
著者
唐渡 興宣
出版者
北海道大学經濟學部
雑誌
経済学研究 (ISSN:04516265)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.p417-461, 1977-05
著者
唐渡 興宣
出版者
北海道大学大学院経済学研究科
雑誌
經濟學研究 (ISSN:04516265)
巻号頁・発行日
vol.56, no.4, pp.1-34, 2007-03-08

本稿はこれに先行する私的所有論の続編をなし,所有論の体系的展開の一環を構成するものである。本源的所有の二次的,三次的構成において,共同体的土地所有と共同体から分離・排除された諸個人が作り出す用具の所有との分裂が土地所有解体の歴史的出発点をなす。土地所有は商品交換を土台とする私的所有に対立的に展開する。近代的土地所有は貨幣関係を基礎とした契約関係という法的関係(=承認関係)に規定された人格的関係において成立する。土地所有の史的成立はこうした人格的関係の成立の解明であり,それは封建的取得構造からブルジョア的取得構造への大転換に媒介されている。その転換は農業資本主義の成立として現れた。本稿は封建的経済構造に支えられた封建的土地所有の史的展開を解明した上で,その土地所有の解体の機序をなすのが労働地代から貨幣地代への移行とそれに伴う領主直営地における賃労働の発生である。それが領主直営地における借地化と領主的囲込みを発展させた。この過程における領主と農奴との関係としての封建的承認関係の解体は農奴の借地農への発展と農業資本主義を事実的に成立させていった。