著者
塩見 彰睦 喜多 辰臣 河合 和久 大岩 元
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.33, no.7, pp.920-928, 1992-07-15

日本語2ストローク入力との併用に適した仮名漢字変換方式として 漢字混じり仮名漢字変換を提案し その実現について述べる日本語2ストローク入力と従来の仮名漢字変換入力を併用した場合 入力したい熟語を構成する漢字のうち 一つでもその漢字の2ストロークコードを入力できないときには すべての漢字をその読みで入力し 変換しなければならなかったこの欠点を解決するのが 漢字と読みが混じった文字列を熟語に変換する漢字混じり仮名漢字変換である本論文では 漢字混じり仮名漢字変換を行うための方式として 変換用辞谷の見出し語を漢字混じり語に拡張するものと 入力文字列に含まれる漢字をキーに辞書引きを行う漢和辞書を用いるものとを提案するさらに この二つの方式でパーソナル・コンピュータ上に漢字混じり仮名漢字変換システムを実現し その比較を行ったその結果 変換速度ならびにパーソナル・コンピュータ環境での実現性の点で 漢和辞書を用いる方式が優れていることが明らかになったまた 同方式はMSーDOS上のデバイス・ドライバとして実現され いくつかのエディタやデータベース 日本語ワープロなどの市販ソフトウェアに試用され 実用に供しうる日本語入力システムであることが確認された