著者
鬼武 光子 嘉本 キミ 広瀬 高
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
ドクメンテーション研究 (ISSN:00125180)
巻号頁・発行日
vol.19, no.6, pp.184-187, 1969-06-01

前報では,企業名を仮名文字でコード化する際,企業名を固有部分と企業形態部分とに分け,これを3〜4文字で表わすことを提案した。この省略法を用いた場合,限られた産業分野でどの程度の企業名の重複が起るか,実際に化学の分野を対象とし,会社で集めた特許資料について調査した。結果は前報と大差なく,前報を支持した。本調査で企業別にとった特許件数の相対累積曲線が,文献複写における雑誌別件数の相対累積曲線とほぼ傾同を同じくすることを見出した。この事実から,企業名の省略にあたって,特許件数の多い企業を単独のコードとすることが,利用する上から便利であること及び,このように一部企業を単独コード化すると,たとえ重複が起っても,特許件数の少ない企業間で重複が起るので,実用上困らないことが確認された。
著者
嘉本 キミ 広瀬 高
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
ドクメンテーション研究 (ISSN:00125180)
巻号頁・発行日
vol.19, no.12, pp.379-385, 1969-12-01

前報までに,わが国の企業名の省略法について明らかにしたが,本報では外国の企業名の省略について検討した。外国の場合には,しばしば企業名の表現に混乱が起るので,まずその原因を明らかにし,取扱い上の対策を示した。つぎに前報に準じ省略法を検討し,(1)国別の分類を併用する,(2)著名な企業は国際的に情報が出ることおよび情報量が多いので単独にコード化する,(3)前報までの省略法を用いないまでも,少なくとも「語」に分け,それから略語を取ると分離結果がよい,(4)省略のための辞典(省略すべき語・用語統一・法人形態名の省略・省略上の注意など)を用意する,(5)企業名・慣用名・企業名の変遷を知る用意をすることが省略を進めるうえ,および利用するうえから必要であることを示した。 なお本報告の最後に,企業名の単独コード化するのには,どのような方法がよいか,企業名の省略はどのようた進め方をすべきかについて検討している。