著者
仲岡 雅裕 田中 法生 堀 正和 四ッ倉 典滋 宮下 和士 磯田 豊 野田 隆史 灘岡 和夫 山本 智子 浜口 昌巳
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009

本研究は、日本の温帯と冷温帯の沿岸生物群集を対象に、生産者と消費者の広域分散過程、および温度変化に伴う生産者と消費者の相互作用の変異を調べることにより、地球規模での環境変動に伴う沿岸生物群集の変化を理解し、沿岸資源生物および沿岸生態系の保全・管理に資することを目的とする。広域野外調査、リモートセンシング・GISを用いた長期変動解析、メタ群集決定構造の数理的解析、集団遺伝解析、野外操作実験を組み合わせたアプローチにより、沿岸生物群集の構成には、水温等の広域スケールの変動要因と、競争・捕食等の局所スケールの変動要因が複雑に関与していることが判明した。今後の気候変動に伴い、沿岸生物群集の動態は、植物-動物間相互作用の変化を通じて不安定化する可能性が高いことが予測された。