著者
三谷 曜子 岡崎 宏美 関口 圭子 宮下 和士
出版者
北海道大学大学院水産科学研究院
雑誌
北海道大学水産科学研究彙報 (ISSN:13461842)
巻号頁・発行日
vol.61, no.2-3, pp.65-74, 2011-12-26

Killer whales Orcinus orca are cosmopolitan in distribution, but study sites are restricted to small geographic areas, primarily shore-based and boat-based studies focusing on nearshore areas. To contribute understanding about the biology of killer whales in pelagic areas, we created photographic identification catalogue of killer whales sighted during T/S Oshoro-maru cruise to the northern North Pacific, Bering Sea and Chukchi Sea in 2003, 2005-2009. For 6 years, 37 groups were found, containing 182 whales, and 29 individuals were identified from left side photos of dorsal fin. No individual was re-sighted within-year, nor between-year. And no matches were found between killer whales observed in Alaska, Russian far east seas, Kushiro and Shiretoko, Japan. Our result can serve as background information for the future study of pelagic killer whales.
著者
松倉 隆一 澤田 浩一 安部 幸樹 南 憲吏 永島 宏 米崎 史郎 村瀬 弘人 宮下 和士
出版者
日本水産學會
雑誌
日本水産學會誌 = Bulletin of the Japanese Society of Scientific Fisheries (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.79, no.4, pp.638-648, 2013-07-15
参考文献数
33
被引用文献数
6

標準体長(SL) 3.1~7.7 cm のイカナゴ当歳魚について,周波数 120 kHz におけるターゲットストレングス(TS)を姿勢角±30°の範囲で測定した。音響理論散乱モデルで推定した理論 TS と比較すると,姿勢角 0°付近で最大値 −68.8~−60.8 dB(実測)及び −68.7~−61.5 dB(理論)を示した。実測値と理論値の差は −1.6~0.9 dB と小さく,特に±10°のメインローブの範囲でよく一致した。採集海域の条件で推定した最大 TS と SL の関係は <i>TS</i>=43.1 log <i>SL</i>−96.1 となった。<br>
著者
宮下 和士 三谷 曜子 綿貫 豊 米崎 史郎 服部 薫
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

北方海洋生態系を広く回遊し,摂餌を行っている海鳥や海棲哺乳類などの高次捕食者をモデルとして,様々な計測機器や分析によりモニタリングを行った.各種において回遊や摂餌生態は個体・地域によって様々であり,このような違いが繁殖成功や生残を左右する可能性が考えられた.また,高次捕食者の生態を通じて,海洋生態系の変動を捉えることができた.今後もモニタングを続けていくことで,我々の目には見えにくい海の中での生態系変動を把握することができるようになるだろう.
著者
仲岡 雅裕 田中 法生 堀 正和 四ッ倉 典滋 宮下 和士 磯田 豊 野田 隆史 灘岡 和夫 山本 智子 浜口 昌巳
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009

本研究は、日本の温帯と冷温帯の沿岸生物群集を対象に、生産者と消費者の広域分散過程、および温度変化に伴う生産者と消費者の相互作用の変異を調べることにより、地球規模での環境変動に伴う沿岸生物群集の変化を理解し、沿岸資源生物および沿岸生態系の保全・管理に資することを目的とする。広域野外調査、リモートセンシング・GISを用いた長期変動解析、メタ群集決定構造の数理的解析、集団遺伝解析、野外操作実験を組み合わせたアプローチにより、沿岸生物群集の構成には、水温等の広域スケールの変動要因と、競争・捕食等の局所スケールの変動要因が複雑に関与していることが判明した。今後の気候変動に伴い、沿岸生物群集の動態は、植物-動物間相互作用の変化を通じて不安定化する可能性が高いことが予測された。