著者
國分 航士
出版者
九州大学
雑誌
若手研究
巻号頁・発行日
2019-04-01

本研究は、近代日本において議会政治が定着する過程を、統治機構としての天皇と議会の関係に注目して、明らかにすることを目的とする。そのために、以下の観点から分析を進める。(1)衆議院・貴族院の二院制を採る議会と、「第三院」として作動する枢密院や天皇との関係は、どのように変遷したのか。緊急勅令・緊急財政処分などの運用過程から考察する。(2)憲法に規定された権限を議会がどのように定着させたのか。天皇・内閣・議会の関係、天皇と議会との間の儀礼などとあわせて考察する。(3)議会の持つ国家・国民の代表性・象徴性が、天皇(君主)のそれとどのような関係にあったのか。御料地問題および国民の請願から考察する。