- 著者
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圓山 勇雄
宇野 宏幸
- 出版者
- 一般社団法人 日本特殊教育学会
- 雑誌
- 特殊教育学研究 (ISSN:03873374)
- 巻号頁・発行日
- vol.51, no.1, pp.51-61, 2013 (Released:2015-02-18)
- 参考文献数
- 19
- 被引用文献数
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1
小学6年生の発達障害児の示す「登校しぶり」という状態に対して、母子関係の再調整を中心とした包括的支援を実施した。母親へのコンサルテーションでは、「生活リズムの調整」をもとに、関係の再調整として、「母親の心理的安定」「適切な対応の仕方」をアドバイスし、「登校への動機づけ支援」として「トークンエコノミー法」「パワーカードストラテジー」等の導入を図った。個別指導では、人との関わり方について学習するねらいで、ソーシャルスキル学習に取り組んだ。また、学校への提案として、対象児に対する「個別的配慮」「登校への興味関心」「友だち関係の調整」を行った。これらの結果、母親の対象児への見方や接し方が変化するに伴い、対象児に対する気持ちもポジティブに変化し、母子関係の改善が図られた。動機づけ支援による効果は限局的であった一方、母子関係の改善、学校での個別的配慮などにより、対象児の登校しぶりは減少し、主体的に登校するようになった。母子関係の再調整を中心とした包括的なアプローチの重要性が示唆されたが、中学校入学後の支援の継続が課題として残った。