著者
森田 英嗣 土居 崇
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.34, pp.65-68, 2010

本研究では大阪弁と共通語の持つ指標的機能に注目し,授業スタイルとの関連を検討した.大阪府内で行われた二つの中学校数学の授業ビデオを対象にして,生徒と教師が授業の中で大阪弁と共通語をどのように運用するかを,一斉と個別の場面ごとに分析した.その結果,両場面で大阪弁を基調とした授業を行い,生徒の大阪弁使用を許し多数の発言を引き出すような授業スタイルと,一斉場面で共通語,個別場面で大阪弁を基調とした変化のある授業を行い,生徒には一貫して共通語の発話をさせながら落ち着いた雰囲気で進行していく授業スタイルが見出された.最後に今後のさらなる研究の必要性を指摘した.