著者
土屋 紳一
出版者
デジタルアーカイブ学会
雑誌
デジタルアーカイブ学会誌 (ISSN:24329762)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.67-70, 2018-03-09 (Released:2018-05-18)
参考文献数
8
被引用文献数
1

早稲田大学演劇博物館では、2015年4月に立体資料の3DデータをWebGL[1]技術によってブラウザのみで閲覧を可能としたシステムを公開した。立体資料の3Dデータは、画像・音声・動画とは異なり、表示をするためのパラメータが非常に多い。さらに、3Dデータを操作するためのインターフェイスなどを作成しなくてはならず、公開までのハードルが高い。しかし今後、3Dプリンタの普及やVR・AR技術の進歩などを考慮すると、かつてないほどの3Dデータ活用が広がるとみられる。課題と向き合いながら公開資料数を増加させ続けているのは、将来のデジタルアーカイブにとって、重要な役割を担うと考えているからだ。当館が立体資料の公開において重視してきた、表示のパラメータと操作のためのインターフェイス、効率的かつ高精度の3Dデータ化の事例報告と、現在も解決できていない課題を発表する。