著者
宮崎 仁志 土山 智之 寺田 久屋
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.156-164, 2013-04-25 (Released:2013-05-15)
参考文献数
1
被引用文献数
2 2

当市では2011年3月に発生した福島原発事故を受けて,ゲルマニウム半導体検出器付きガンマ線スペクトロメータにより,市内を流通する食品の放射性物質検査を開始した.2011年3月30日から2012年10月31日までに300検体の検査を行った.暫定規制値および2012年4月から施行された基準値を超えた検体はなかった.放射性ヨウ素(131I)は緑黄色野菜およびその他の野菜7検体から検出された.放射性セシウム(134Csおよび137Cs)は60検体から検出された.検出された食品群は,米・加工品,いも・加工品,種実類,緑黄色野菜,その他の野菜,生果,きのこ類,生魚介類,魚介加工品,畜肉,牛乳・乳製品およびその他の嗜好飲料であった.
著者
宮崎 仁志 加藤 陽康 加藤 友香里 土山 智之 寺田 久屋
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.151-155, 2013-04-25 (Released:2013-05-15)
参考文献数
2
被引用文献数
7 15

東海地域の一日摂取量に基づいて名古屋市内で食品を購入し,調製したマーケットバスケット方式によるトータルダイエット試料について,ゲルマニウム半導体検出器付きガンマ線スペクトロメータにより放射性セシウム(Cs)濃度を測定し,被ばく線量を算出した.福島原発事故前の2006年に調製した試料から放射性Csは検出されなかった.事故から5か月後の2011年8月に調製した試料のうち,3群(砂糖,菓子類),8群(その他野菜,海藻,きのこ類)および10群(魚介類)から放射性Csが検出された.1年5か月後の2012年8月に調製した試料では,8群および10群からCs-137のみが検出された.放射性Csによる預託実効線量は,2011年が0.0015 mSv,2012年が0.00016 mSvであった.
著者
深津 浩佑 土山 智之 谷口 賢 丹羽 一将 杉浦 潤 宮崎 仁志
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.63, no.5, pp.163-168, 2022-10-25 (Released:2022-11-03)
参考文献数
12

残留農薬の多成分一斉分析において,分析結果の品質を保証するためには内部品質管理が必要である.今回,複数の安定同位体標識化合物をすべての分析対象試料に添加して分析結果の品質を管理する方法を検討した.その結果,従来の管理試料を用いた品質管理の方法と比較して,高い精度で分析結果の品質を管理することが可能であった.安定同位体標識化合物を用いた管理方法では,分析結果の品質を対象試料ごとに評価することが可能であり,内部品質管理において有効な手法となると考えられる.