著者
谷口 賢
出版者
日本マイコトキシン学会
雑誌
マイコトキシン (ISSN:02851466)
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, pp.127-131, 2012-07-31 (Released:2012-09-29)
参考文献数
5

平成23年8月16日付け食安発 0816第1号「総アフラトキシンの試験法について」において総アフラトキシンに対する試験法が通知された.この中で穀類,豆類および種実類については多機能カラム法を,香辛料や加工食品,その他多機能カラムでは精製が不十分な試料に対してはイムノアフィニティカラム法を適用できるとされている.しかし,当研究所および国立医薬品食品衛生研究所で検討した結果,イムノアフィニティカラム法において,通知文中「II.妥当性評価の方法」に示された真度を満たさない試料が存在することが判明した. そこで,種々の試料に対するイムノアフィニティカラム法の適用性およびその改良法を検討し,第70回学術講演会のワークショップで紹介した.本稿では,総アフラトキシンの試験法におけるイムノアフィニティカラム法の注意点およびこの検討結果について述べる.

2 0 0 0 OA 肝不全

著者
垣花 泰之 岩倉 雅佳 谷口 賢二郎
出版者
日本外科代謝栄養学会
雑誌
外科と代謝・栄養 (ISSN:03895564)
巻号頁・発行日
vol.50, no.6, pp.327-333, 2016 (Released:2017-04-12)
参考文献数
25

急性肝不全・劇症肝炎では,安静時エネルギー消費量の増加,グルコースおよび遊離脂肪酸利用率の低下,BCAA/AAA 比の低下が特徴であり,一方,慢性肝不全・肝硬変では,貯蔵グリコーゲン減少に伴う飢餓状態,アミノ酸代謝異常による肝性脳症が特徴的である.栄養状態の悪化を防ぐため,肝性脳症の急性期以外に蛋白質制限を行わないことや,肝硬変例には1.2 g/kg/日を目安に十分量の蛋白質を投与することが推奨されている.さらに,肝不全用アミノ酸製剤は肝性脳症に限定され,経口分岐鎖アミノ酸製剤の積極的な投与が,生存率やQOL 向上につながることが報告されている.グリコーゲン貯蔵量が少ない慢性肝不全・肝硬変例に対して,早期飢餓状態の軽減や栄養状態改善に対する夜間就寝前捕食の有効性,ビタミンB1, 亜鉛,脂溶性ビタミンなどの欠乏症に対するアセスメントなどの推奨項目が提示されている.本稿では,エビデンスに基づいた肝不全の栄養管理法を示すとともに,肝性脳症に対する急性血液浄化療法の最新の知見に関しても解説した.
著者
深津 浩佑 土山 智之 谷口 賢 丹羽 一将 杉浦 潤 宮崎 仁志
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.63, no.5, pp.163-168, 2022-10-25 (Released:2022-11-03)
参考文献数
12

残留農薬の多成分一斉分析において,分析結果の品質を保証するためには内部品質管理が必要である.今回,複数の安定同位体標識化合物をすべての分析対象試料に添加して分析結果の品質を管理する方法を検討した.その結果,従来の管理試料を用いた品質管理の方法と比較して,高い精度で分析結果の品質を管理することが可能であった.安定同位体標識化合物を用いた管理方法では,分析結果の品質を対象試料ごとに評価することが可能であり,内部品質管理において有効な手法となると考えられる.