- 著者
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土岐 謙次
- 出版者
- 一般社団法人 日本デザイン学会
- 雑誌
- 日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第64回春季研究発表大会
- 巻号頁・発行日
- pp.216, 2017 (Released:2017-06-29)
(ドラフト)これまで乾漆は非常に高度な技術を要する工芸的な造形手法であった。特に漆の表面を平滑で美しく磨き上げる技術は「呂色(ろいろ)」仕上げと呼ばれ、主に職人によって伝承され、技術の習得には長い年月を要する。また、型には石膏や粘土が使われることが多く、繰り返し複製を作ることが困難である。本論は現代では一般的な塩化ビニル素材を型に利用することで、この呂色仕上げに近い品質の漆表面を、比較的簡単な方法で量産できる技術に関する研究である。塩化ビニルの表面が漆に転写されることで、誰でも簡単に高品質な乾漆を作ることが出来るようになった。