著者
安部倉 健 吉見 光浩 堤 省吾 土田 晃貴 小宮 諒 前田 慶明 浦辺 幸夫
出版者
公益社団法人 広島県理学療法士会
雑誌
理学療法の臨床と研究 (ISSN:1880070X)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.20-25, 2022-09-30 (Released:2022-10-01)

【目的】超音波画像診断装置を用いて、棘下筋トレーニング終了後の棘下筋筋厚の経時的変化を明らかにすること。 【方法】14名の健常成人男性を対象とした。棘下筋トレーニング前と、トレーニング終了直後から60分後までの棘下筋筋厚を10分ごとに測定した。トレーニング内容は、重錘2.0 kgを用いて側臥位で肩関節外旋運動をオールアウトまで反復するものを1セットとして、3セット実施するものとした。統計学的解析には、各時点での棘下筋筋厚について反復測定分散分析を行い、事後検定としてDunnettの検定を実施した。有意水準は5%とした。 【結果】トレーニング前と比較して棘下筋筋厚は終了直後に平均3.0 mm増加し、終了40分後まで有意に高値を示し(p<0.05)、50分で差がなくなった。終了後の棘下筋筋厚は、時間経過に伴い減少した。 【結論】運動直後の棘下筋に生じる筋厚増大はトレーニング直後に最大となり、その後は減少を続け、50分以内に消失する一時的な現象であった。