著者
金田 和輝 前田 慶明 鈴木 雄太 寺田 大輝 小宮 諒 浦辺 幸夫
出版者
一般社団法人 日本アスレティックトレーニング学会
雑誌
日本アスレティックトレーニング学会誌 (ISSN:24326623)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.117-123, 2022-10-31 (Released:2022-11-19)
参考文献数
20

本研究は,緊急事態宣言発令による生活環境の変化が,健常水泳選手とパラ水泳選手の生活範囲と精神的健康に与えた影響を検討することを目的とした.緊急事態宣言発令中と解除後にアンケート調査を行い,生活範囲と精神的健康の変化を確認した.生活範囲は全対象者で解除後に増加し,精神的健康は女性パラ水泳選手のみ有意に低値を示した.女性パラ水泳選手では,生活環境の変化により精神的健康が変化しやすい可能性がある.
著者
水田 良実 前田 慶明 小宮 諒 田城 翼 堤 省吾 安部倉 健 黒田 彩世 江崎 ひなた 浦辺 幸夫
出版者
一般社団法人 日本アスレティックトレーニング学会
雑誌
日本アスレティックトレーニング学会誌 (ISSN:24326623)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.111-116, 2022-10-31 (Released:2022-11-19)
参考文献数
16

本研究の目的は,感染症流行による部活動自粛後に発生した傷害を調査し,傷害と受傷した選手の特徴を探ることであった.部活動に所属する選手を対象に,自粛後半年間の傷害発生の有無,自粛中と自粛後の練習時間等をアンケートで調査し,自粛後の受傷群と未受傷群の2群に分類して各項目を群間比較した.回答者は148名で傷害発生数は52件であった.自粛中と自粛後の練習時間の差は受傷群で有意に大きかった(p<0.05).
著者
安部倉 健 吉見 光浩 堤 省吾 土田 晃貴 小宮 諒 前田 慶明 浦辺 幸夫
出版者
公益社団法人 広島県理学療法士会
雑誌
理学療法の臨床と研究 (ISSN:1880070X)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.20-25, 2022-09-30 (Released:2022-10-01)

【目的】超音波画像診断装置を用いて、棘下筋トレーニング終了後の棘下筋筋厚の経時的変化を明らかにすること。 【方法】14名の健常成人男性を対象とした。棘下筋トレーニング前と、トレーニング終了直後から60分後までの棘下筋筋厚を10分ごとに測定した。トレーニング内容は、重錘2.0 kgを用いて側臥位で肩関節外旋運動をオールアウトまで反復するものを1セットとして、3セット実施するものとした。統計学的解析には、各時点での棘下筋筋厚について反復測定分散分析を行い、事後検定としてDunnettの検定を実施した。有意水準は5%とした。 【結果】トレーニング前と比較して棘下筋筋厚は終了直後に平均3.0 mm増加し、終了40分後まで有意に高値を示し(p<0.05)、50分で差がなくなった。終了後の棘下筋筋厚は、時間経過に伴い減少した。 【結論】運動直後の棘下筋に生じる筋厚増大はトレーニング直後に最大となり、その後は減少を続け、50分以内に消失する一時的な現象であった。
著者
田城 翼 浦辺 幸夫 鈴木 雄太 酒井 章吾 小宮 諒 笹代 純平 前田 慶明
出版者
公益社団法人 広島県理学療法士会
雑誌
理学療法の臨床と研究 (ISSN:1880070X)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.83-87, 2020-03-31 (Released:2020-08-21)

目的:足関節捻挫を受傷した選手は、医療機関で受療せずに競技復帰する場合が多く、「たかが捻挫」と足関節捻挫を軽視している可能性がある。本研究では選手が足関節捻挫受傷後の治療の重要性をどのように捉えているかを調査した。 方法:大学男子サッカー選手235名を対象として、インターネットによるアンケート調査を実施した。 結果:90名(38%)の有効回答のうち、70名(78%)が足関節捻挫を経験していた。受傷後、医療機関を受診した者は37名(53%)で、そのうち28名(76%)は継続的に通院し、治療を受けていた。医療機関を受診しなかった、または通院を中止した理由は、「治療しなくても治ると思ったから」という回答がそれぞれ最多であった。 結論:治療しなくても治ると思っていた選手は、足関節捻挫受傷後の治療の重要性を認識できていない可能性がある。このような選手に対して、足関節捻挫の治療の啓蒙が不可欠である。
著者
川井 智貴 浦辺 幸夫 前田 慶明 堤 省吾 沼野 崇平 小宮 諒 鈴木 雄太 藤下 裕文
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.44 Suppl. No.2 (第52回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.1274, 2017 (Released:2017-04-24)

【はじめに,目的】近年,ダーツは生涯スポーツやレクリエーションとして注目されており,介護施設などでも取り入れられている。さらにダーツは身体機能回復の効果があるともいわれているが,どのような身体機能に対して効果があるかを示した報告は少ない。ダーツでは狙い通りにダーツを投げるために姿勢の安定性が重要なことから,高齢者でも楽しく実施でき,かつバランス能力改善を目的としたエクササイズとして使用できる可能性がある。本研究では,ダーツを継続することがダーツ投擲時の重心動揺にどのような影響を及ぼすかを若年者で検討し,今後高齢者がダーツを行うことの有用性について示唆を得ることを目的とした。【方法】対象は健常男性12名とし,ダーツ経験のない未経験群6名(年齢22.1±1.5歳,身長171.0±3.9cm,体重64.2±7.3 kg),2年以上の経験がある経験群6名(年齢29.8±5.3歳,身長165.2±7.4 cm,体重65.5±13.4 kg,経験年数3.4±1.1年)とした。対象は,裸足で重心動揺計(竹井機器工業)上のスローラインに立ち,前方237cm,上方173cmに設置したダーツボードの中心(直径4cm)を狙って,ダーツ投擲を20投刺さるまで行った。対象の利き手の肩峰,上腕骨外側上顆,尺骨茎状突起に直径20 mmのマーカーを貼付し,デジタルカメラ(Power Shot A2600,Canon)1台を25Hzに設定し,3m側方から撮影した。Image J ver. 1.48(NIH)で算出したマーカーの座標データをもとに,解析区間を肘関節屈曲開始時(投擲前のテイクバック開始時)から最大伸展時(投擲後のフォロースルー終了後)と定義した。分析項目は,ダーツボードの中心から刺さったダーツまでの距離(cm),解析区間内の単位軌跡長,前後方向単位軌跡長,左右方向単位軌跡長とした。統計学的解析は,各算出項目の群間比較に対応のないt検定を用い,危険率5%未満を有意とした。【結果】ダーツボードの中心から,刺さったダーツまでの距離は経験群が3.7±1.0 cm,未経験群が8.2±0.9 cmであり,経験群はより中心に近い位置に投げることができた(p<0.05)。ダーツ投擲時の単位軌跡長は経験群が26.6±5.9 mm/s,未経験群が38.0±10.6 mm/sとなり,前後方向単位軌跡長では経験群が20.5±5.4 mm/s,未経験群が30.6±8.6 mm/sであり,いずれも経験群が有意に小さかった(p<0.05)。左右方向単位軌跡長では経験群が14.6±5.5 mm/s,未経験群が17.4±4.5 mm/sであり,有意差はなかった。【結論】本研究から,経験群は未経験群よりダーツの成績がよく,ダーツの成績向上には前後方向のバランス制御が重要であることが示された。先行研究では,同一動作の反復により姿勢の安定性が向上するとされている(大畑ら,2003)。ダーツでは,上肢の投擲動作とバランス制御が要求される。ダーツ経験者は投擲動作時のバランス制御能力が高いことから,今後はダーツが高齢者のバランス能力改善目的のエクササイズとして有用かどうか確かめていく。
著者
小林 怜司 浦辺 幸夫 沼野 崇平 小宮 諒 福井 一輝 前田 慶明
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.33, no.5, pp.747-750, 2018 (Released:2018-10-26)
参考文献数
11

〔目的〕母趾球荷重が,選択移動時間に及ぼす影響を明らかにすることである.〔対象と方法〕対象は,健常男子大学生12名とした.選択移動時間は,ランプ発光後できるだけ素早く中央マットから左右マットにサイドステップで移動し,中央マットから両足が離地するまでの時間として測定した.直立姿勢,母趾球荷重を意識していない構え姿勢,母趾球荷重を行った構え姿勢の3条件で選択移動時間を測定し,同時に右脚の内側広筋,腓腹筋,長腓骨筋の筋活動開始時間を測定した.〔結果〕母趾球荷重を行った構え姿勢で,内側広筋と長腓骨筋の筋活動開始時間ならびに選択移動時間が短縮した.〔結語〕母趾球荷重を行った構え姿勢で,選択移動時間が短縮することが明らかになった.