- 著者
-
土田 英人
- 出版者
- 日本生物学的精神医学会
- 雑誌
- 日本生物学的精神医学会誌 (ISSN:21866619)
- 巻号頁・発行日
- vol.21, no.1, pp.33-38, 2010 (Released:2017-02-15)
- 参考文献数
- 19
今日わが国では,薬物の多様化と薬物乱用の低年齢化が認められ,その問題は医学モデルのみに留まらず,社会経済や政策などの領域とも広く関わりを持っている。覚せい剤や PCP などは,統合失調症の疾患モデルとして解析が進められており,これらを手掛かりとした統合失調症の病態・病因の解明が期待される。本稿では,薬物依存の共通の基盤のひとつである脳内報酬系と,分子レベルでみた依存の形成過程について概説する。