著者
土畑 さやか
出版者
京都大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2015-04-01

一回繁殖型とされてきたヤマジノギク種群(含ツツザキヤマジノギク)・近縁種カワラノギクにおいて、開花株の花茎基部に形成されたロゼット葉(開花株ロゼット)を見出した。これを介した多回繁殖および撹乱環境への適応の可能性を明らかにするために、開花株ロゼットの頻度調査・集団間比較、多回繁殖の有無の検証を行った。結果、撹乱環境に生育する集団で開花株ロゼットを介した多回繁殖が実際に生じていることが判明した。また、ヤマジノギク種群・近縁種の遺伝的関係を明らかにするために、ddRAD-seq法によって得られたSNPsを用いて集団遺伝学的解析を行った。結果、従来の形態分類と遺伝的近縁さは一致しないことが示された。