著者
今野 紀子 土肥紳一
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.49, no.10, pp.3399-3408, 2008-10-15

地域の情報リテラシの向上・情報教育の充実を図ることを目的とした大学生による情報教育支援ボランティア派遣事業が進められている.学生ボランティアは地域の教育機関に派遣され,PCを利用した教育補助,情報処理操作補助や助言業務を担っている.今回,派遣先の教育現場が求める効果的な情報教育支援のあり方や,さらなる地域連携のあり方についての意識調査を実施した.分析結果から,教育現場では,情報教育の必要性を実感しているが知識・技術を兼ね備えた指導者が不足している現状があり,学生ボランティアをチームティーチングなどで積極的に教育場面に活用したいという意識が強いこと,そのため,教員と一緒に授業づくりができる技量を持つ人材を求めていることが分かった.学生ボランティアの位置づけは,あくまでも情報教育を支援する黒子としての補助要員であるが,この調査によって派遣する側とされる側の支援のあり方についての意識のズレが明確になった.ミスマッチを防止するための対策,派遣事業の位置づけの再検討が必要となる.The information education support project to a community by university student's volunteers is promoted. This project has aimed to improve local populace's information literacy. In this study, I carried out consciousness investigation about the ideal way of the requested support to a community by university student's volunteers. As a result, it is recognized that consciousness to want to utilize a university student's volunteers by team teaching positively in an education scene is strong. Therefore, about a university student's volunteers, it is recognized that ability to be able to do the making of class with a teacher is needed.