- 著者
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坂 拓弥
山本 清龍
- 出版者
- 日本森林学会
- 雑誌
- 日本森林学会大会発表データベース 第127回日本森林学会大会
- 巻号頁・発行日
- pp.798, 2016-07-08 (Released:2016-07-19)
2013年,環境省はグリーン復興の一つとして,青森県八戸市蕪島から福島県相馬市松川浦までの区間を地域の自然や暮らし,利用者と地域の人々などを「結ぶ道」とするため,みちのく潮風トレイルの整備を開始した。トレイルには震災復興の役割に加え,交流人口の増加や観光復興が期待されており,今後,地域の受入体制の構築,強化が必要である。そこで本研究では,青森県八戸市から岩手県久慈市までの区間を対象に,①三陸沿岸部の来訪者,実際にトレイルを歩いたハイカー,受入側であるトレイルサポーター,地域の関係者の4者のトレイルに関わる意識を明らかにすること,②トレイルの管理と地域の協働に関する課題を明らかにした上で協働の方向性を論考することの2点を目的とした。研究結果から,来訪者のトレイルの認知度は低いものの利用意向には前向きなこと,ハイカーは道迷いに不安を感じ,案内標識の整備を期待していること,サポーターは活躍の場を求めていることが明らかになった。さらに,地域の関係者へのヒアリング等から,協働の方向性としてサポーターの連携と協議の場の必要性が示唆された。