著者
山本 清龍 下村 彰男 小野 良平 熊谷 洋一
出版者
公益社団法人 日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.63, no.5, pp.735-738, 2000-03-30 (Released:2011-07-19)
参考文献数
12

本研究は, 日本の都市住民の多くが利用してきた銭湯に関して, 第一に, 戦後の都市拡張の中において行われた銭湯の立地の特性について把握し, 第二に, 銭湯周辺の物的空間構成から人々の生活行動に関わる空間秩序を読み取ることを目的とする。研究対象として, 東京都練馬区の銭湯65軒を抽出し, 道の階層性および住宅の集積との関係から立地特性の分析を行い, さらに銭湯周辺の商業施設の分布および商店の業態から空間構成の分析を行った。その結果, 銭湯は滞留時間の長い商業施設の中心に位置し, 都市拡張のフロンティアとして街並み形成に重要な役割を果たしていたことなどが明らかとなった。
著者
山本 清龍 下村 彰男 小野 良平 熊谷 洋一
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.63, no.5, pp.735-738, 2000-03-30
参考文献数
12

本研究は,日本の都市住民の多くが利用してきた銭湯に関して,第一に,戦後の都市拡張の中において行われた銭湯の立地の特性について把握し,第二に,銭湯周辺の物的空間構成から人々の生活行動に関わる空間秩序を読み取ることを目的とする。研究対象として,東京都練馬区の銭湯65軒を抽出し,道の階層性および住宅の集積との関係から立地特性の分析を行い,さらに銭湯周辺の商業施設の分布および商店の業態から空間構成の分析を行った。その結果,銭湯は滞留時間の長い商業施設の中心に位置し,都市拡張のフロンティアとして街並み形成に重要な役割を果たしていたことなとが明らかとなった。
著者
久保 暁子 山本 清龍 中村 和彦 下村 彰男
出版者
一般社団法人 環境情報科学センター
雑誌
環境情報科学論文集 Vol.33(2019年度 環境情報科学研究発表大会)
巻号頁・発行日
pp.181-186, 2019-11-25 (Released:2019-11-22)
参考文献数
9

本研究では,ストレス軽減のためデジタル機器から一定期間離れる取り組みであるデジタルデトックスの基盤的な研究を企図して,①回答者の属性とデジタル機器の使用状況,デジタル機器の依存性を把握し,それらの関係性を明らかにすること,②平日・休日の過ごし方,デジタルデトックスへの意向を把握し,デジタルデトックスの可能性を考察すること,の2点を目的とした。その結果,約半数の学生がデジタル機器を4時間以上使用し,一部の学生は機器の使用によって学生生活に問題を抱えていた。学生の意向をふまえれば,日常の機器使用制限や自然豊かな場所への外出はデジタルデトックスに有効と考えられた。
著者
浅田 航太朗 山本 清龍
出版者
公益社団法人 日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.86, no.5, pp.461-464, 2023-03-31 (Released:2023-05-12)
参考文献数
13

Public open space is a space that can be freely used by anyone and is becoming increasingly popular in Japan. This study categorized the spatial characteristics of public open space based on an analysis of its spatial composition elements. We also investigated how the land use of public open space has changed from the time of planning to the present. As a result, the spatial characteristics of public open space were classified into three categories: 1)the first is public open space for rest, 2)the second is public open space for long periods of rest, and 3)the third is public open space for interaction with nature. The change and the existing land use status of public open space up to the present was identified based on aerial photographs after the public open space plan were established. Furthermore, a comparison of the planned area of existing and non-existing public open space revealed that there are differences in the existing ratio depending on the location and the planning period, but not significant change in the size.
著者
山本 清龍
出版者
一般社団法人 環境情報科学センター
雑誌
環境情報科学論文集 Vol.30(第30回環境情報科学学術研究論文発表会)
巻号頁・発行日
pp.73-78, 2016 (Released:2016-11-28)
参考文献数
19

本研究では,登山者数の上限設定に対する検討が行われている富士山を事例として取り上げる。研究目的は,①登山者の属性,登山特性を把握した上で,登山者数の上限設定に対する意向を明らかにすること,②登山者の属性,登山特性,登山者数の上限設定に対する意向の関係性から,登山者数の上限設定を検討する際の論点を整理し考察すること,の2点である。その結果,富士登山者の属性は,年齢が20~40代で77%を占め,登山目的では御来光を見ることが72%,頂上まで登ることが71%で最も多かった。また,登山者数の増加が自然と文化に悪影響を及ぼすという意識は登山者数の上限設定の賛否に関係していた。
著者
久保 暁子 山本 清龍 中村 和彦 下村 彰男
出版者
一般社団法人 環境情報科学センター
雑誌
環境情報科学論文集
巻号頁・発行日
vol.33, pp.181-186, 2019

<p>本研究では,ストレス軽減のためデジタル機器から一定期間離れる取り組みであるデジタルデトックスの基盤的な研究を企図して,①回答者の属性とデジタル機器の使用状況,デジタル機器の依存性を把握し,それらの関係性を明らかにすること,②平日・休日の過ごし方,デジタルデトックスへの意向を把握し,デジタルデトックスの可能性を考察すること,の2点を目的とした。その結果,約半数の学生がデジタル機器を4時間以上使用し,一部の学生は機器の使用によって学生生活に問題を抱えていた。学生の意向をふまえれば,日常の機器使用制限や自然豊かな場所への外出はデジタルデトックスに有効と考えられた。</p>
著者
皆上 伸 柴崎 茂光 愛甲 哲也 柘植 隆宏 庄子 康 八巻 一成 山本 清龍
出版者
林業経済学会
雑誌
林業経済研究 (ISSN:02851598)
巻号頁・発行日
vol.59, no.3, pp.10-20, 2013 (Released:2017-08-28)
被引用文献数
2

本論文では,十和田八幡平国立公園の奥入瀬渓流を対象として,リスクマネジメントの現状と問題点を明らかにした。2009年10月にアンケート調査を行い,渓流内の事故について,責任の所在に対する利用者の意向や個人属性を明らかにした上で,利用者を4群に分類した。9割弱の利用者が,歩道の安全性向上を目途とした整備を望んでいる一方で,渓流内の事故を自己責任と考える利用者も少数存在した。次に公的機関に聞き取り調査を実施し,リスクマネジメントの現状を整理した。歩道については,2003年の渓流落枝事故以降,倒木や落枝などのリスクを把握するための点検の強化や,施設賠償責任保険への加入などの改善策が実施されていた。しかし,歩道の未設置区間の存在や,曖昧な管理域などのリスクが依然残っている。組織横断的な機関を設置し,協働型の解決策をはかることも考慮する時期にきている。
著者
愛甲 哲也 山本 清龍 中島 泰
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会大会発表データベース
巻号頁・発行日
vol.131, 2020

<p> 自然観光地では、利用者の集中による自然環境と利用体験への影響が問題視されている。山岳地では、植生の荒廃、土壌浸食、し尿処理、混雑への対策が必要とされる。自然環境への配慮、体力や力量に見合ったルート選択、混雑の回避などを促すため、様々な情報提供が行われており、効果的な手法、手段の検証が必要である。</p><p> 富士山では、収容力の研究を経て、登山者数の目安を設定した。週末や祝日の混雑を平準化するため、登山者が集中する日、時間帯、ルートを推測した「混雑予想カレンダー」を、ウェブサイト、登山雑誌、パンフレットなどで周知している。</p><p> 本研究では、混雑予想カレンダーの認知度と、登山者の行動への影響を検証した。2017年と2018年の登山シーズン中に、山梨県と静岡県によって行われたアンケート調査への登山者の回答を分析した。その結果、混雑予想カレンダーを見た登山者は約3分の1で、富士登山オフィシャルサイトが最も多かった。カレンダーを見た登山者の約2割が、登山予定を変更しており、一定の効果がみられた。さらに協力者を増やすには、周知方法や登山者の理解を促す仕組みの検討が必要である。</p>
著者
山本 清龍 荒牧 重雄
出版者
一般社団法人 環境情報科学センター
雑誌
環境情報科学論文集 Vol.26(第26回環境情報科学学術研究論文発表会)
巻号頁・発行日
pp.319-324, 2012-11-26 (Released:2014-09-20)
参考文献数
25

本研究では,わが国において最高峰を誇る富士山を事例として取り上げ,①高所登山における登山者属性と登頂断念にいたった理由,状況を把握すること,②自然公園における高所登山のリスク管理について考察することの2点を目的とした。その結果,富士登山者の63%が若年層であり初めての登山者が55%であること,登頂率は92%,登頂を断念した登山者が7%であることが明らかとなった。また,登頂を断念した理由は急性高山病とそれに類する自覚症状が多く,断念した登山者の76%は八合目で下山を開始していること,宿泊をしなかった登山形態では登頂を断念する登山者が有意に多いことなどが明らかとなった。最後に,結果をふまえて自然公園における高所登山のリスク管理について考察し,必要と思われる管理施策について提案を行った。
著者
馬依拉 阿夏木江 比屋根 哲 山本 清龍
出版者
農村計画学会
雑誌
農村計画学会誌 (ISSN:09129731)
巻号頁・発行日
vol.33, pp.317-322, 2014
被引用文献数
1

近年,中国の経済は著しく発展したが,都市と農村の経済格差は拡大している。そのため中国政府は,経済発展が遅れている農村や少数民族が暮らす辺境地域において「生活を向上させるための手段として,観光開発による産業振興が最も効果的な施策であると判断し,その施策を現在推し進めているとしている。本研究の対象地である新疆ウイグル自治区(面積166.49万km2,人口約2180万人。年平均気温約10℃,年間降水量約300mm。以下,新疆と略記)には,草原や砂漠に代表される自然・農地景観とシルクロード等に関わる歴史・文化景観が存在し,観光資源に恵まれている。これらの観光地の多くは,少数民族が生活する農村部や辺境地域に立地する。新疆の観光業は1978年から始まり,35年以上の歴史があるが,まだまだ発展途上にあり,とくに農村部等での観光振興が重要な課題となっている。観光振興のためには,魅力的な観光地の整備とともに,多くの旅行者を迎える方策が重要であるが,そのためには旅行者が持つ旅行に対する価値観を理解し,旅行者の意向に即した対応が重要と考えられる。本研究は,岩手大学の学生を,将来,海外旅行に出かける可能性を持つ日本の若者と位置づけ,将来,新疆ウイグル自治区に多くの日本人旅行者を呼び込むための基本的な知見として,彼らの海外旅行に対する価値観の一端を明らかにしようと試みたものである。
著者
坂 拓弥 山本 清龍
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会大会発表データベース 第127回日本森林学会大会
巻号頁・発行日
pp.798, 2016-07-08 (Released:2016-07-19)

2013年,環境省はグリーン復興の一つとして,青森県八戸市蕪島から福島県相馬市松川浦までの区間を地域の自然や暮らし,利用者と地域の人々などを「結ぶ道」とするため,みちのく潮風トレイルの整備を開始した。トレイルには震災復興の役割に加え,交流人口の増加や観光復興が期待されており,今後,地域の受入体制の構築,強化が必要である。そこで本研究では,青森県八戸市から岩手県久慈市までの区間を対象に,①三陸沿岸部の来訪者,実際にトレイルを歩いたハイカー,受入側であるトレイルサポーター,地域の関係者の4者のトレイルに関わる意識を明らかにすること,②トレイルの管理と地域の協働に関する課題を明らかにした上で協働の方向性を論考することの2点を目的とした。研究結果から,来訪者のトレイルの認知度は低いものの利用意向には前向きなこと,ハイカーは道迷いに不安を感じ,案内標識の整備を期待していること,サポーターは活躍の場を求めていることが明らかになった。さらに,地域の関係者へのヒアリング等から,協働の方向性としてサポーターの連携と協議の場の必要性が示唆された。