著者
坂井 千春
出版者
東京藝術大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2019-04-01

セシル・シャミナード(1857-1944、仏)は、自作の出版と演奏だけで経済的に自立した最初の女性職業作曲家である。ベル・エポックに大人気を博したが、死後長い間忘れられていた。しかし近年、再び演奏され始めているにもかかわらず、先行研究が非常に少ない。研究方法としては、まず散逸している彼女の全ピアノ曲を収集し、同時代の作曲家と比較検討する。次に彼女の自作自演録音など19世紀女性ヴィルトゥオーゾの演奏法を、研究者のピアニストとしての視点から詳細に分析する。そしてピアノ学習者たちの指針となるような解釈を提示した世界初の解説付シャミナードピアノ曲全集出版を目指し、録音や演奏会を通じて再評価を試みる。