著者
杉山 文 海嶋 照美 坂宗 和明 田中 純子
出版者
一般社団法人 日本肝臓学会
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.59, no.1, pp.33-40, 2018-01-20 (Released:2018-01-29)
参考文献数
7
被引用文献数
2

広島県および全国において肝炎医療コーディネーター(肝炎Co)の活動実態について調査した.広島県の調査では,看護師(医療機関肝炎Co)は【患者としてすでに通院・入院しているキャリア】に,保健師(自治体肝炎Co)は,【感染を知っても継続受診をしていないキャリア】に接することが最も多く,看護師と保健師では活動の内容にも相違がみられた.全国の肝炎Coにおいても,所属機関や職種によって活動実態に相違が認められた.肝炎Coは所属機関や専門性によって接するキャリアが異なることから,医療機関所属の肝炎Coは「医療の相談,精神的ケア」,自治体所属の肝炎Coは,「受検・受療促進・フォローアップシステムへの登録勧奨」など活動内容を分離し,その役割を明確にすることが必要と考えられた.また,全国の医療従事者における肝炎Co養成制度の認知度は3-4割と低く,周知活動をさらに進める必要性が示唆された.