著者
石川 徳久 坂尾 勝彦 松下 寛
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化学会誌(化学と工業化学) (ISSN:03694577)
巻号頁・発行日
vol.1994, no.10, pp.888-892, 1994-10-10 (Released:2011-05-30)
参考文献数
9
被引用文献数
1

試料液のイオン強度調整を必要としないイオン選択性電極を用いた標準液添加法を提示する。体積Vの試料液を,既知濃度(CS1)の定量イオンを含む第1標準液で滴定したのち,一定体積V0の試料液を添加する。引きつづいて第1標準液と同じイオン強度をもつ既知濃度CS2の第2標準液で滴定する。この二つの滴定曲線においてυS2=υS1(V+V0)/V-υS10の条件を満たす第1および第2標準液の滴定体積υS1,υS2対応にした起電力E1,E2をそれぞれ読み取れば,分析濃度Cxはy対Xの直線プロットの勾配から決定される(VS10は第1標準液の最終添加体積である)。〓種々のイオン強度の試料液中の10-3~5×10-5mol・dm-3の範囲のフッ化物濃度を,誤差±O.4%以下,相対標準偏差0.5%以下で定量した。