著者
坂木 栄治 松嵜 直幸 北崎 充晃
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.143, pp.59-63, 2006-06-29

オプティカルフローに基づく知覚と行動を科学的に解明する上で,自動車運転時の知覚やステアリング操作,アクセル,プレーキ操作は,非常に魅力的な研究対象である。自動車の運転は,歩行と同様に,知覚と行動が切り離せない状況であり,日常生活にも密着した問題を振起する。このような問題に対して,安全性や実験パラメタの制御・統制の点から,ドライビングシミュレータを用いた研究が一般的に行われている。しかし,多くのシミュレータは,視覚刺激の融通性と統制のなさなどから,知覚心理学,特に心理物理学的研究には向かない。本研究では,これらの点を解決したドライビングシミュレータを開発したので,その概要を紹介すると共に,予備的な評価実験の結果を示す。