著者
坂本 光德
出版者
四天王寺大学大学院
雑誌
四天王寺大学大学院研究論集 (ISSN:18836364)
巻号頁・発行日
no.12, pp.93-104, 2018-03-20

韓国の公的扶助制度の大きな改革は、2000 年施行の国民基礎生活保障法であった。扶助の種類など日本の生活保護法と類似する点も多い制度であるが、改正を繰り返して2015 年にはそれまでのパッケージ方式の給付から各扶助の個別給付への大きな転換も果たしている。 その中で、国民基礎生活保障法の対象である生活困窮者を経済的理由等で文化芸術に触れる機会が少ない文化疎外階層と呼び、その人々の文化的な生活を送ることを支援することを目的に文化利用券制度が2004 年から展開されてきた。2017 年現在その文化利用券は「文化ヌリカード」として発行され、生活困窮者160 万人以上が利用している。 本論では文化利用券制度の概要と展開を明らかにして、日本の生活困窮者対策に示唆できることを検討する。