著者
青木 実枝 坂本 祐子 神谷 直由
出版者
山形県立保健医療大学
雑誌
山形保健医療研究 (ISSN:1343876X)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.39-46, 2003-03-01

昼夜逆転の生活パターンとなり午前中の講義を欠席しがちな男子学生に対して、睡眠に焦点を当てた行動療法的アプローチを試みた。現状の生活パターンの原因を探索する面接による支持的介入を行った。次に対象者自身が設定した生活改善目標と方法に対して、1週間のセルフモニタリングを行った。さらに、セルフモニタリング前後の睡眠の質をOSA(小栗・白河・阿住)睡眠調査票を用いて評価した。その結果、対象者が目標としていた、二度寝の習慣が消失し昼夜逆転の生活パターンが改善した。対象者の意思を尊重した支持的介入による原因探索と自身で設定した目標に対するセルフモニタリング法は、役割意識を自覚し自律性を生み出したと考えられる。また、セルフモニタリング後のOSA睡眠調査票のスコアが向上しており、睡眠の質も向上していることが明らかとなった。
著者
坂本 祐子
出版者
福島県立医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

本研究では,術後せん妄を予測する尺度を開発した。この尺度は,睡眠 2 項目,基本属性 5 項目からなる.尺度項目は,術後患者の睡眠測定と看護師を対象とした質問紙調査から作成した。睡眠に関する項目は「日中の熟睡」「夜間覚醒」,基本属性に関する項目は「脳血管障害の既往」「睡眠剤服用」「向精神薬服用」「介護保険施設入所」「通所サービスに利用」であった.評価は,各項目を「有:1 点」「無:0 点」で行う.我々の評価では,基本属性 1 点以上かつ睡眠項目が 1 点以上になった場合に,せん妄を発症する可能性が高いとみなすことができた.