- 著者
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西尾 美登里
坂梨 左織
木村 裕美
久木原 博子
緒方 久美子
古賀 佳代子
- 出版者
- バイオメディカル・ファジィ・システム学会
- 雑誌
- バイオメディカル・ファジィ・システム学会誌 (ISSN:13451537)
- 巻号頁・発行日
- vol.20, no.1, pp.23-28, 2018-05-19 (Released:2021-03-15)
福岡市の高齢者における地域の災害避難場所の認知について, 実態調査を行い, 独居高齢者への災害支援のありかたについて検討した. 地域包括ケアシステムと介護の啓発を目的とした集会の参加者258 名を分析対象とし, 基本属性, フォーマルな相談窓口の認知と活用の有無, 活用している相談窓口数, 地域の避難場所の認知, 楽しみの有無, 情緒的支援, 自尊感情尺度について調査した. 分析は同居群と独居群の2群の差のカテゴリ変数にはχ2 検定, 連続変数にはMann–Whitney U 検定行い群間差を検定した. その結果, 独居高齢者は同居者がいる高齢者より有意に高齢で, 公の相談窓口を知らず, 相談談窓口数が少なく, 避難場所を知らず, 楽しみを有さず, 情的支援を受けていなかった. 都市部における高齢者への災害支援を充実させるためには, 特に独居高齢者が情的な交流のある生活の中で, 楽しみながら社会活動ができる場づくりを行う必要がある. また, 災害支援の情報提供は,社会活動ができる場で行うことが有益であることが示唆された.