著者
坂田 敦子 平島 光臣
出版者
尚絅大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

U937細胞およびヒトPBMCを用いて、ガレクチンファミリー分子の中で、特に多様な免疫調節作用をもつガレクチン9の発現調節活性を指標に、食品の機能性成分の探索を行った。結果、フコイダンは強い炎症性サイトカイン誘導活性と同時にガレクチン9発現抑制活性を有することがわかった。レイシ抽出液やカテキンにはガレクチン9発現調節活性は認められなかった。本研究により、フコイダンが、免疫抑制的機能をもつガレクチン9の発現を低下させることにより単球/マクロファージ系細胞を活性化へ誘導している可能性が示唆された。
著者
坂田 敦子
出版者
学校法人 尚絅学園 尚絅大学研究紀要編集部会
雑誌
尚絅大学研究紀要 B.自然科学編 (ISSN:21875243)
巻号頁・発行日
vol.51, pp.169-179, 2019 (Released:2019-09-08)
参考文献数
18

近年,β- ガラクトシドに結合するガレクチン分子が,T 細胞アポトーシスや調節性T 細胞誘導など,免疫調節能をもつことが報告されている。本研究では,食品の機能性成分の免疫調節機能におけるガレクチン分子の関与を明らかにするために,U937細胞を用いて,フコイダン,レイシ抽出液,カテキンなどの食品成分の炎症性/ 抑制性サイトカイン産生並び にガレクチン-1, 3, 9分子発現に及ぼす影響について調べた。結果,フコイダンは,TNF-α,IL-1β,IL-6などの炎症性サイトカイン産生を増強し,IL-10, TGF-βなどの抑制性サイトカイン産生を阻害することにより,効果的に免疫賦活作用を示すことがわかった。またこの過程にガレクチン-9の発現低下が関与している可能性が示唆された。