著者
松田 祐一 城間 定夫
出版者
琉球大学
雑誌
琉球大学農学部学術報告 (ISSN:03704246)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.271-280, 1974-12-01

沖縄産フェザー・ミールをブロイラー・ヒナに給与してブロイラー飼料としての価値を調べた。供試した品種は, 白色コーニッシユ×白色ロックのF_1で, 3回に亘り飼育試験を行なった。その結果 : 1.第1回試験では, 標準区(日本飼養標準による配合)は, 動物蛋白質を魚粉のみとした区とフェザー・ミールを前期飼料2%, 後期4%配合した区について発育を調べたが, ヒナの発育はフェザー・ミール配合区が魚粉区よりも良い傾向がみられた。高エネルギー区でも魚粉区を対照区としフェザー・ミールを前期に2%, 後期に5%配合した飼料を試験区として発育を調べたが, 8週齢体重は魚粉区1,909.4g, フェザー・ミール区1,842.5gで魚粉区が67.2gで重かったが有意差はみられなかった。飼料要求率は, 標準区でも, 高エネルギー区でも, フェザー・ミール給与区がやや大きい傾向にあった。2.第2回試験は, 沖縄の最も暑い6月下旬から8月中旬の間に行ない魚粉区を対照区とし, フェザー・ミールを前期後期とも5%配合した区を試験区とし, 発育を比較したが, 餌付後3週間は魚粉区が良く有意差がみられた(P<.01)。4週後は有意差がなく, 8週後の試験終了時にはほとんど体重差がみられなかった。飼料要求率は, フェザー・ミール区がむしろ小さい傾向にあった。3.第3回試験は, フェザー・ミールを前期6.5%, 後期5%配合し飼料の全蛋白質に占めるフェザー・ミール蛋白質の割合を前期24.6%, 後期23.6%とした。4週齢時の発育は, 魚粉区652.9g, フェザー・ミール区583.8gで明らかに有意差がみられた(P<.01)。しかし前期魚粉区飼料を給与したヒナは後期に魚粉区飼料を給与しても, フェザー・ミール区飼料を給与しても両区間に発育の差はみられず, 同様に前期フェザー・ミール区飼料を給与したヒナについても, 後期に魚粉区飼料を給与しても, フェザー・ミール区飼料を給与しても発育に有意差はみられなかったが, 前期魚粉区飼料を給与したヒナと前後期ともフェザー・ミール区飼料を給与したヒナの間には, 8週齢においても有意差(P<.05)がみられ魚粉区が良かった。以上のことからフェザー・ミールは, ブロイラー飼料として前期に5%以下(全蛋白質に対するフェザー・ミール蛋白質20%以下)の配合が適当で, 後期5&acd;8週は, 5%のフェザー・ミールを配合し全蛋白質に対するフェザー・ミール蛋白質24&acd;25%としても良好な発育をなすものと考えられた。なお, ブロイラー・ヒナは, 幼雛時よりも日が経つにつれてフェザー・ミールを良く利用し得るものと考えられる。