著者
堀口 真宏
出版者
東洋学園大学
雑誌
東洋学園大学紀要 = Bulletin of Toyo Gakuen University (ISSN:09196110)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.48-62, 2021-02-15

本論文では,救援・支援者の心理的負担に関する先行研究についてバーンアウトとPTSD という観点からレビューを行い,その中でも海岸救援者,東日本大震災の災害支援者の立場における心理的負担について考察を行った。まず,救援・支援者は日々の仕事の業務に持続的に関わることから生じうる業務上のバーンアウトが考えられる。また,持続した緊張感の下で業務が行われる状態の中で「衝撃的な救助・出来事」に対峙したとき,同じ救援・支援者の立場にいる彼らには,PTSD 傾向も考えられ,彼らの心理的負担を理解する上で双方の概念からの理解が不可欠と考えられる。このようなことから,まずバーンアウトとは何か,PTSD とはどのような症状を呈するのかのついての概観を行った。そして第3節では,救援・支援者における心理的負担について主にどのような研究がなされてきたかレビューを行い,彼らの心理的負担の意味付けについての捉えなおしという点から考察を行った。