著者
岩本 喜伴 宮崎 正則 前田 ゆう子 堀尾 嘉友
出版者
公益社団法人 日本栄養・食糧学会
雑誌
栄養と食糧 (ISSN:00215376)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.213-217, 1970
被引用文献数
1

市販バナナ生果中の硝酸塩含量の測定ならびにバナナピューレーを用い果汁含量 (硝酸塩含量) を異にした試験かん詰を製造し, スズ異常溶出におよぼす硝酸塩の影響を検討した。<BR>1) 市販されているバナナ生果中の硝酸塩含量は外観からの熟度に関係なく, 硝酸性窒素は3-30ppmとバラツキが認められた。<BR>2) 原料中に多量の硝酸塩が含まれているとオレンジジュースならびにトマトジュースかん詰で認められたのと同様にバナナジュースかん詰においても製造後短期間内にスズの異常溶出が認められた。<BR>3) 実かん試験の結果から硝酸性窒素1ppmに対するスズの溶出量は約30ppmであった。<BR>4) バナナをかん詰原料として使用する場合には原料中の硝酸塩含量に注意しなければならない。