- 著者
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堀野 雅子
- 出版者
- 一般社団法人 日本東洋医学会
- 雑誌
- 日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
- 巻号頁・発行日
- vol.61, no.1, pp.27-31, 2010 (Released:2010-06-22)
- 参考文献数
- 10
- 被引用文献数
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リベド血管炎は,日常診療上対応に苦慮する皮膚疾患のひとつである。リベド血管炎と診断され,難治性の下肢の多発性潰瘍が,漢方治療によって奏効した一例を経験した。症例は23歳の女性で,X‐2年春より打撲傷のような皮疹が出現し,他病院にてリベド血管炎という診断を受けた。X年4月より両下肢に有痛性潰瘍が多発しはじめ,西洋医学的標準治療に抵抗した。X年5月6日より当院漢方治療を開始,約4カ月で有痛性潰瘍は消失した。薬剤は当帰四逆加呉茱萸生姜湯を主に,加工附子末,排膿湯,千金内托散,伯州散,当帰芍薬散を使用した。リベド症状は残っており,完治には長期治療を有すると思われるが,激痛を伴う潰瘍から開放されて,日常生活は正常に戻った。